山と食欲と私 単独登山女子が飯テロな山ごはんを味わうグルメ漫画
『山と食欲と私』は山ガールと言えば複数人でワイワイ登山するイメージですが、それらといっしょにされたくない人見知りぼっちなOLが主人公の漫画です。
主人公の日々野鮎美 (ひびの あゆみ)は27歳のアラサーで年齢的にも山ガールと呼ばれることを嫌い、自らを単独登山女子と自称しています。
登山の楽しみのひとつである山ごはんにスポットを当て毎回飯テロというべきグルメなメニューが登場します。
山頂でひとり黙々と飯を食らう様はアウトドア版・孤独のグルメといったところでしょうか。
近年なって孤独のグルメの影響を受けてかメシ系漫画が急増しているようです。
作者の信濃川日出雄さんも大の山好きで、主人公に自分を重ね合わせているのか最初は女子なのにおっさん臭い印象を受けます。
グルメだけでなく登山する中で様々な人々と出会い主人公の気持ちにも変化が表れる人間ドラマも含んでいます。
山好きとグルメ好きどちらにも興味を引く内容で、さらに山の楽しさだけでなく遭難などの危険性もきちんと伝えています。
実際に女性ひとりで登山するのはこのご時勢なかなかハードルが高いので、せめて漫画を読んで雰囲気を味わっている人もいるでしょう。
山登りでカロリーを消費した後に食べる山ごはんは格別の美味さですが、山ごはんのメニューは山へ行かなくても作れるので登山未経験者でも障壁はありません。
山で手軽に作れるものが多いので地上ではさらに楽勝なメニューの数々。
とはいっても主人公は登山における食事の価値が高いので、重くてかさばる鍋やホットサンドメーカーだって持参します。
登山の描写は妙にリアルで作者が登山中に遭遇した出来事をもとに描いているように感じます。
登山は登る間だけでなくそれまでの計画や体調管理も含めて登山なので、そうした細かな準備行動まで描写している漫画は少ないです。
登山漫画は世界最高峰のエベレスト登頂から高尾山の山歩きまで多種多様ですが、それを食という誰もが共感できる要素で読みやすくしたのがこの作品だと思います。
コミック化されてかなり売れているようですが、Web上でも無料連載されており一部見ることができます。
各話ごとに完結するスタイルなので、途中から読んでも楽しめる内容となっています。
登山に興味のない人がなぜ苦しい思いをしてまで山へ登るのか理解しがたいところを山で食べると美味しそうだなと意識改革を起こすのがこの作品の特徴です。
基本的に山に登る・調理する・食べるというシンプルな構成だからこそ内容が入ってきやすく主人公に感情移入しやすいです。
普段の生活でいろいろな悩みやストレスを抱えながら過ごしていても山へ登り綺麗な景色と空気のなかで腹を満たせば気分が晴れる。
いろいろな人生を背負った人たちが山を登り、主人公と関わり合いを通して変化する感情がストーリーに深みを与えています。
登山漫画としてどこどこの山を制覇するだとかゴールがあるわけでもなく、グルメ漫画にしても食の追求に終わりはないので、主人公は今後も自由気ままに各地の山を登りながら山ごはんを堪能するのでしょうか?
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