アートアクアリウムは動物虐待なのか?批判されても開催する金魚の展覧会

2018年9月26日


Photo by Japan’s Wild Aquarium Art

毎年夏になると開催されるアートアクアリウムですが、金魚をアート作品として扱う関係で賛否両論あります。

批判される原因はおもに過密飼育や照明などによる生体へのストレスの問題で、数千匹の金魚すべての健康管理を適切に行うのは難しそうです。

アートアクアリウムは世界に一人とされるアートアクアリウムアーティストの木村英智さんがプロデュースしています。

2006年に開催されて以来すべての演出に携わっているので、おそらくこの人が続けたいという意志がある限りは続くでしょう。

もともと熱帯魚店のアルバイトから熱帯魚の問屋を経てアートアクアリウムに目覚めたそうで、熱帯魚マニアでもなく最初からビジネスとして惹かれアクアリム業界に入ったようです。

アートアクアリウムは長年に渡り開催されていることからビジネスとして成功していると言えます。

木村さんは金魚を生き物というより美術品としてどう美しく見せるかを優先しているように感じます。

アクアリウムが身近な人ほどアートとしての美しさよりも金魚のコンディションの方が気になってしまい、批判的になってしまうのもうなずけます。

批判はあれど世の中にはアートとして楽しめる人たちの割合が多いからこそ成立しているのでしょう。

アートアクアリウムはその発想と表現に注目が集まることが多いですが、その前にある生態系を存在させ魚を生かす知識と技術が自慢です。
ここで泳ぐ魚たちは、栄養価の高い食事、高性能な水質浄化装置、毎日毎晩徹夜でおこなわれる生体管理スタッフによる世話など、
観賞魚として生を受けたものとして、人から与えられる最大限の愛情を受け、幸せな時間を過ごしております。
もちろん展覧会が終わると金魚たちは元気に元居た金魚市場の池や問屋さんに戻って行きます。
珍しく手に入りにくい種類などは、手元に残し大事に世話をし、各展覧会を一緒に回って行くのです。
北海道から沖縄までアートアクアリウムと一緒に旅をしている金魚もたくさんいました。
中には展覧会中に子供が生まれ、その子供が大きくなって舞台に出ることもあるのです。
アートアクアリウム | ご挨拶&ヒストリー

この記述では金魚の飼育に万全を期しているような印象を受けますが、実際は死んだり病気の金魚もいるので、どの程度世話が行き届いているのかは不明です。

さすがに少数で展示されている上物は手厚く世話されていると思いますが、過密飼育の金魚は体調を崩しやすい環境に置かれています。

ぜひ開催してから展示終了後までの金魚の生存率を知りたいものです。

アートアクアリウムを闇雲に批判する人も見かけますが、金魚自体もフナを鑑賞向けに品種改良して作られたいわばアート作品なので金魚そのものを否定することにも繋がりかねません。

金魚の美しさの影には無数のハネられた奇形や規格外の存在がありますから。

逆に金魚自体がアート作品なのでそれ以外に余計な演出が必要なのかという疑問も浮かびます。

アートアクアリウムが金魚(魚類)への動物虐待に該当するのかという内容についてはメダカの品種改良についての記事で触れています。

観賞魚としてこの世に生を受けた金魚にとってアートアクアリウムは最高の晴れ舞台かもしれませんが、もしそれが生命に関わるような過酷な状況なのであれば複雑です。

金魚すくいの是非や販売店での過密飼育など金魚は常に倫理観が付きまとう動物です。

アート的な魅せ方だけでなく各地の工芸品などとコラボしてシンプルに金魚を鑑賞できる作品もあるので、いろいろ考えながら演出されているのはわかります。

しかしそれだけだと地味になりすぎてしまい集客に影響するので、どうしてもド派手な演出に頼ってしまいがちです。

大衆の金魚に対する理解度と演出に求めるものが変わらない限りはアートアクアリウムは今後も同じ路線で成功するでしょう。

水槽が鮮やかな光で照らされインスタ映えする写真が撮れたり、DJのライブがあったり、夜にはお酒も飲めたりと複合エンターテインメントとして楽しめる場所になっています。

お花見と称して桜の木の下で宴会するように、花より団子な人でも楽しめるスポットとして優秀ではないでしょうか。

私はわざわざ有料で見に行かなくても自宅の水槽に観賞魚が泳いでいるのでそれで満足してしまいます。