ユニクロの大戦モデル風だと話題になっているインラインGジャンの真相

Photo by Uniqlo
1万円以下で買える大戦モデル風Gジャン
ユニクロが2026年1月にリーバイスの中でも特に人気のある1st (S506XX) の大戦モデル風Gジャンを先行販売して話題となっています。
別ブランドとのコラボ商品でもなくインラインで普通に販売されたこの商品は、すぐに品薄状態となり人気商品となったのがわかります。
リーバイスの当時のヴィンテージ品になると数百万円が飛び交う世界なので、1万円以下で大戦モデル風のGジャンが手に入るのは破格です。
ただ実物を忠実に再現したわけではなく、ユニクロも大戦モデルとはうたっていないので、あくまで"大戦モデル風"であることを強調しておきます。
パッと見は似ていますが一番大きな違いは実物が4ボタンなのに対して、ユニクロのは5ボタンなのでデザインがそもそも違うのです。
リーバイスも過去に復刻モデルを出していますが、自社の製品にも関わらず5ボタンになっていたりと雑な復刻の仕方で愛好家から批判を浴びた歴史があります。
4ボタンのほか全体的にデザインが簡素化された背景として、第二次世界大戦中のアメリカ政府による物資統制 (資源節約) の要請があったからです。
当時、戦況の悪化に伴い、軍需品 (兵器、制服、弾薬など) に金属や糸、布地を優先的に回す必要がありました。そのため、戦時製品監督局(WPB)が衣料品メーカーに対し、無駄な装飾やパーツを削ぎ落とすよう命じたのです。
戦時中は苦肉の策でしたが、極限まで削ぎ落とされたデザインは戦後の我々にとっては逆に価値を高める要素となりました。
このように大戦モデルには非常に濃密なストーリーがあるので、ユニクロがあえて4ボタンのデザインにしていたらもっと評価されていたでしょう。
むしろ4ボタンにすればコストカットに繋がるので製造側にもメリットがあります。
おまけに本来は付いていない腰ポケットまであるので、使い勝手は向上していますがまだまだ削れる部分があります。

Photo by LEVI STRAUSS & CO.
Gジャン本来の価値
リーバイスも1月になって大戦モデルの忠実復刻であるS506XX 1944 JACKETの再抽選が行われるなど、1stの人気冷めやらぬ中でこうした商品を打ち出したのはかなり挑戦的です。
当時の実物を着ている人は稀ですが、復刻版を着ているような層にはユニクロと勘違いされるのをよく思わない人も一定数いるでしょう。
ですが元はただの作業着であり、特に1stは完全にワーク向けのプロダクトなので、ヴィンテージ化による異常な価格高騰へのカウンターとしては良かったのではないかと思います。
もちろん詳しい人からすれば違いは明確なので見分けられますが、興味のない人はそこまで細かな違いまで気づかないので同一視されます。
ユニクロが今後も過去の名作と似たような商品を大量に売り出せば、ヴィンテージ市場を破壊してしまうかもしれません。
そのくらい大戦モデル風Gジャンのインライン販売というのは衝撃的だということです。
汗や泥で汚れたGジャンを作業着として着ていた人たちが今の相場を見たらきっと白目を剥くでしょう。
そしてユニクロがこの熱狂に冷水を浴びせて現実に引き戻したのです。
無論リーバイスの実物や復刻モデルを着るもよし、ユニクロで憧れの大戦モデルの雰囲気を味わうもよしです。








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