パタゴニア Worn Wear 思い出のモノは使い続けることでストーリーが蓄積されていく
Worn Wearとは直訳すると使い古した服というような意味ですが、パタゴニアの経営理念として古くなったら新商品を買ってくださいではなく、修理や補修をしてできるだけ長く使って欲しいという考えがあります。
生産からなるべく環境負荷の少ないよう配慮されて商品が作られ、修理や補修する際の手厚いサポートでも有名です。
ボロボロになり役目を終えた服でも引き取ってリサイクルする仕組みが確立されているため限られた資源を有効活用しようとする姿勢が感じられます。
物であふれる現代社会において使い古した服はさっさと手放して買い換えるのが普通に行われています。
しかしパタゴニアの商品は品質管理が徹底されており、非常に丈夫なので少々破れたりすり切れたくらいで手放すのはもったいない。
むしろ使い込むことで思い出が刻まれ、誇らしげに見せびらかす人たちまで存在します。
思い出のあるモノを大切に飾っておくのもよいですが、いつまでも使い続けることでこれまでのストーリーに加えて新たな思い出が蓄積されてより深みが出ます。
たまに眺めて思いにふけるよりも常に身近に持ち歩いて朽ち果てるまで使い込む方がモノにとって幸せなのかも知れません。
実用品が思い出の詰まったモノばかりに囲まれれば、わざわざ思い出の品を飾るためのスペースを確保する必要がありません。
思い出も常に上書きされていくので色褪せることなく、生涯現役として使う人のそばで活躍し続けます。
パタゴニアはシーシェパードを支援していた経緯があり、それをきっかけにパタゴニア製品を買わなくなった人もいるでしょう。
だからといって手持ちの製品を捨ててしまうのは違う気がします。あくまで企業の方針と製品の品質とは切り離して考えるべきだと思います。
有名な企業であっても自分の理念に反する企業や団体へ出資している場合が多々あります。
すべてを細かく紐といていくと完璧にクリーンな企業を探す方が難しいかも知れません。
パタゴニアは数ある企業の中でも先だって環境保護に取り組んでいる功績があり、環境保護の意識が強い食品事業やベンチャーなどにも積極に投資を行っています。
複雑に絡み合った関係性の中で落としどころが難しいのですが、私の場合は手持ちのパタゴニア製品は大切に使っていくことにします。
今後パタゴニア製品を購入する可能性としては、純粋に製品だけを見て優れていると判断すれば買うこともあるかもしれません。
パタゴニア製品に限らずモノは使い込むことで、それぞれ独自のストーリーを描き唯一無二を存在へと変化していきます。
パタゴニア 創立者 Yvon Chouinard (イヴォン・シュイナード)
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