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紀里谷和明が映画『世界の終わりから』を最後に監督引退宣言 より自然でシンプルな生活へシフト


Photo by GOETHE

映画監督の紀里谷和明さんが2023年4月7日公開の映画『世界の終わりから』を最後に監督を引退すること宣言しました。

当ブログでも2014年に日本のミニマリストとして紀里谷和明さんを記事で取り上げてから事あるごとに意識している人物の一人です。

若くして有名になり元妻である宇多田ヒカルさんのMVを手掛けるなどそれなりの富を築きましたが、テクノロジーの進歩と世界の搾取構造を目の当たりにして家や車などほとんどの財産を手放しミニマリストになりました。

2014年というとまだミニマリストという言葉が目新しかった頃で、彼が率先して行動にして時代の感度に敏感だったことがわかります。

あれから9年の歳月が経ちましたがコロナ禍を経ても社会構造に大きな変化はなく、日本を取り巻く状況はより悪化してきています。

さらに10年ほど遡ると映画監督デビュー作品である『CASSHERN』に行き着き、賛否両論やや否定的な批評の目立つ問題作が2004年に公開されました。

20年間何をするにも常に映画のことが頭の片隅にあり、ネガティブな意見を目にする日々が続いていたと思います。

『世界の終わりから』は映画監督20年の集大成として17歳の伊東蒼さんが主演を演じ、世界を救うため奔走する一人の女子高生の物語を描いています。

日本の映画界の仕来りを突っぱねてトラブルが多く、作品も尖っていて物議を醸す監督でしたが、歳を重ねて最後はわかりやすいストーリーとメッセージで、過去作品と比べてわりと評判が良いようです。

日本のマスコミの程度の低さは映画だけでなくスポーツや芸能などあらゆる分野に関して言えるので、この体質から解き放たれるのが彼にとって一番の喜びではないかとさえ思います。

今の日本社会には物語がなく教育も画一的であり、その中で生まれてくる作品を見ても"面白い"としか表現できない人々が増えています。

端的に言えば感情の解像度が低く、何に対しても真剣に向き合わないという姿勢を紀里谷和明さんは危惧しています。

30年経済が低迷しているのは国民を無関心にさせ、足の引っ張り合いをするよう仕組まれている気にさえなります。

紀里谷和明さんは数年前から海外の山奥で自給自足に近い生活を送っており、山小屋で雨水を濾過して飲水にしたり、鶏や野菜を育てたり、ソーラーパネルで発電ながら生活しています。

お金はそれなりに持ってるでしょうし、気晴らしに都会で食事したりすることはあるでしょう。

映画監督も一度区切りをつけてから時間が経てばまた気持ちが変わって撮りたくなるかもしません。

金持ちの道楽と言ってしまえばそれまでですが、実際に行動に移さなければわからないこともあります。

移住者に対して日本を捨てただの誹謗中傷する人もいますが、日本から離れて客観的に捉えなければ気づけない問題もあります。

紀里谷和明さんが今後どのような活動をするのかわかりませんが、なるべくストレス無く穏やかに暮らせるよう願っています。

【日本人の感情の解像度は低い】映画を見ても「面白い」しか言わない/泣ける映画と日本社会/日本は戦略ばかりで、物語がない/起業家は芸術家だ/映画監督に求められること

ミニマリスト

Posted by Coro