陶器の筒に水をかけ自然風による気化熱で冷却するインド発のエコクーラー
一昔前まではそれほど普及していなかったエアコンですが、今では世界中で電気を使ったエアコンが稼動しており、特に先進国ではエアコンのない生活は考えられないほど必須な家電となっています。
古いタイプのエアコンは電気を馬鹿食いするイメージでしたが、省エネ化が進みそれほど電気代を気にせずとも使えるようになりました。
暖房に関しては石油ファンヒーターやこたつなど様々な選択肢がありますが、冷房だとほぼエアコンのクーラー機能しか選択肢がないので、気密性の高い現代の住宅ではエアコンが必ず設置されています。
扇風機を温まった室内で回してもそれほど涼しくないので、凍らせたペットボトルを扇風機の前に置いて冷たい空気を循環させる方法もあります。
エアコンによって室内は涼しくなりますがその反面排気された空気は熱を帯びており、都市部のヒートアイランド現象の原因のひとつとなっています。
インドで考案されたエコクーラーは精密機器と化したエアコンとは真逆で積み重ねた陶器の筒に水をかけるだけというシンプルさです。
家庭用エアコンの寿命は10年程度とされていますが、このエコクーラーなら半永久的に機能するのではないでしょうか。
水を循環させるためにはポンプが必要なので非電化とはいきませんが、エアコンと比べて遥かに少ない電力で冷却することができます。
ヒートアイランドを軽減させるには緑地化や太陽光の反射率を高める遮熱舗装が効果的と言われていますが、冷却システム自体もなるべく排熱の少ないものへと切り替えていくことが重要です。
昔は打ち水をして地表の温度を下げ気圧の変化によってそよ風を発生させるという天然のクーラーで涼んでいましたが、エコクーラーはそれをより効率化させた感じでしょうか。
以前に比べて気候変動による気温上昇の影響を受けてはいますが、それ以上にアスファルトやコンクリートなどあまりにも蓄熱する素材に囲まれすぎている現状があります。
真夏の夜には蓄熱した熱が抜けきらないまま朝になるので、クールタイムのない環境が作り出されています。
まわりに多少自然が残っていれば夜には冷たいそよ風が吹くので一日ごとに暑さがリセットされます。
クーラーのように劇的に温度を下げることはできませんが、肌に優しい自然のそよ風によって都市の異常な暑さを少しでも緩和できるなら素晴らしことです。
ただし大量の陶器筒を新たに生産するならエネルギーと大量の二酸化炭素を排出しますし、湿度が高いと水が蒸発しにくいので実際に効果が期待できるかは別の話です。
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