煎茶道 形式にとらわれず日常的に飲むお茶をいかに美味しく入れて味わうか

古くから日本人に馴染みのある緑茶ですが、従来の急須で丁寧に入れるスタイルからペットボトル飲料やティーバッグを買って飲むスタイルへシフトしています。

緑茶のペットボトル飲料も一昔前と比べると種類も豊富で品質も上がりましたが、それでも安い茶葉を使って大量生産されているので急須で入れるお茶とは別物かというくらい差があります。

日本には緑茶を代表する文化として茶道がありますが、茶道と言えば茶室で着物やスーツを着て抹茶をいただくイメージが強く初心者には少し敷居が高いです。

しかし茶道は抹茶道だけでなく他にも存在し、千利休が安土桃山時代に完成させた抹茶道に対して、江戸時代中期以降に形式化した茶道へのアンチテーゼとして文化人たちが見出したのが煎茶道です。

煎茶道にも様々な流派が生まれ抹茶道とそう変わらないほど形式化した流派もありますが、煎茶道の成り立ちから考えると自分で茶道具をそろえて自宅で静かに入れるお茶でも立派な煎茶道と言えるのではないかと思います。

抹茶や玉露は高級茶の部類なので、あまり日常的に飲むには適していません。

そういう意味で普段使いのお茶をいかに美味しく入れて味わうかという煎茶道の美学があっても良いはずです。

おしゃれなライフスタイル系のモーニングルーティンには必ずと行って良いほどドリップコーヒーが登場しますが、急須が登場する機会は遥かに少ないです。

ドリップコーヒーは豊かで余裕のある朝の象徴であり、インスタントコーヒーではどうしても味気なく感じてしまいます。

コーヒーと緑茶の違いはコーヒーは一度入れるだけなのに対して、緑茶は一煎目を入れてさらに二煎目と最低でも三煎目くらいまでは美味しくいただけます。

またお湯の温度や抽出時間を変えることで同じ茶葉でも味が繊細に変化するので、自分好みの入れ方を追求する楽しみがあります。

ペットボトル飲料向けに収穫される安価な三番茶や四番茶ではなく、農家が自信を持って育て上げた味や栄養価の高い一番茶や二番茶を急須で入れて飲むことでドリップコーヒーに負けないくらい生活に豊かさをもたらします。

日本の食生活はお米が中心なので和食との相性も抜群であり、朝は忙しくてパンでも昼食や夕食のお供や食後に急須で入れたお茶を飲むことは自然で取り入れやすいです。

自宅で煎茶道を楽しむうえで欠かせない茶道具は何と言っても急須で、少人数なら取っ手の付いていない絞り出し急須 (宝瓶) が茶葉を捨てやすくて便利です。

急須の他に湯冷ましも用意するとより緑茶を美味しくいただけます。

煎茶を入れる時に熱湯を入れてしまうと渋みが強く出過ぎるので、一度湯冷ましでお湯の温度を下げてから入れる方が、煎茶の持つ旨味や甘さが引き立ちます。

この道具は湯呑や他の容器で代用できるので必須ではないですが、一煎目と二煎目をブレンドしたりして楽しめるのでひとつあると便利です。

茶道具もこだわり出すと切りがありませんが、抹茶道に比べるとより普段の生活に寄り添ったお茶を楽しむことができます。

The Way of Sencha – Senchado