長期保存水とペットボトル入りミネラルウォーターの違い 密封された水は意外と腐らない
非常時の備えとして最優先で備蓄すべきものが飲料水ですが、防災グッズとして売られている長期保存水は普通のペットボトル入りミネラルウォーターより割高です。
普通に手に入る水でも開封しなければ賞味期限が約2年ほどあるので、ローリングストック法で入れ替えながら備蓄している人も多いでしょう。
長期保存水とペットボトル入りミネラルウォーターの違いは容器のグレードの違いだけで中身はあまり関係ないようです。
ペットボトルはどんなに密封しても空気や水蒸気は透過するので、内容量が2%より減ると誤差の範囲を超えて計量法違反となるので仕方なく賞味期限を設定しています。
つまり開封さえしなければ容量がわずかに減るだけで、腐って飲めなくなるわけではありません。
長期保存水はより密度を高めたペットボトルを使用しているので水の蒸発が緩やかというだけの話です。
あまり保存場所が良くないと周囲に置いてある物の臭いが移ったり、湿気が多いとカビ臭くなる可能性があるので置き場所は大切です。
ペットボトル2Lとポリタンク10Lに水道水を入れ、常温で6ヶ月放置しても細菌の繁殖はなかったという検証実験データがあるので、思っている以上に水は腐りにくいということです。
水道水の保存期間についての検証実験 【結果報】(PDFファイル) | 磐田市
常温だと約1週間から2週間で水道水の中に含まれる残留塩素が消えてしまいますが、例え容器の中に空気が入っている状態でも細菌の繁殖はなかったようです。
容器に入った空気の量が少なかった事と採水する際に汚染されないよう最新の注意が払われた結果ですが、手軽に保存水を作るのはそれほど大変ではないことがわかります。
例え細菌が増殖したとしても飲む前に塩素消毒したり煮沸してから飲めばお腹を下すようなことは起きないでしょう。
市販のミネラルウォーターはそれこそ厳重に品質管理されているので、賞味期限が切れても開封しない限りは飲料水として利用できます。
自宅に置いておく飲料水としては使用済みペットボトルやポリタンクに水道水を入れたものを保管しておくのが最も経済的だと言えるでしょう。
そのままでもまず問題ないと思いますが、携帯浄水器などでろ過すればさらに安全な飲料水を得ることができます。
一人暮らしであれば長期保存水が手軽な方法ですが、家族単位だと数日分でも大量の水 (1日3L×人数分) が必要になるので、それをすべて長期保存水でまかなうのは大変です。
4人家族1週間分の飲料水だと84Lにもなるので、20Lポリタンク4個と2Lペットボトル2本でちょうど84Lになります。
時間が経って給水所へ行くことまで考えると一部10Lポリタンクにするのもありでしょうか。
携帯浄水器があれば頻繁に中身を入れ替えなくても浄水しながら飲めるので、そこまで神経質にならなくても気が向いた時に入れ替えるくらいで十分いけそうです。
日本で携帯浄水器はあまり重要ではないですが、かつて経験したことのない大災害に見舞われたらどうなるかわからないので、最悪そこら辺の川の水でも飲める手段を得たいならひとつ用意しておくと安心です。
多少汚れたり腐ってようが水という物質さえあれば殺菌やろ過して飲めるので、とにかく一定量の水の保管が大切なのです。
食料品は酸化したり腐敗しやすいので温度や湿度に気を使いますが、飲料水はそこまで保管場所を選ばなくて済みます。
1週間まったく外に出られず遮断された生活を送ることはまずあり得ませんが、1週間分の防災備蓄はひとつの目安として推奨されている量なので、まずは水の備蓄から始めてみましょう。
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