MYOG (Make Your Own Gear) とは何か?自分で使う道具を自作やカスタマイズする思考
MYOG (Make Your Own Gear)とはDIYとほとんど同じような意味合いの事を指します。
主にアウトドア活動に使う道具を自作したり、既製品を自分が使いやすいようにカスタマイズすることもMYOGに含まれるようです。
DIYはどちらかといえば木工で棚やテーブルなどを作るイメージですが、MYOGはミシンを使いサコッシュ・バッグ・財布・小物入れなどを裁縫します。
登山やキャンプに大きな棚やテーブルは持っていかないので、自然と裁縫がメインになるのでしょう。
もちろん裁縫だけに限らず空き缶でアルコールストーブを自作したり、バーナーの五徳を加工したりするのも立派なMYOGであると言えます。
定義はあいまいですがあくまでアウトドアへ持っていくのが前提となっている点がDIYとの違いでしょうか。
MYOGでよく利用されるミシンは子供のいる家庭でもなければわざわざ購入する機会が少ない道具です。
薄い布を加工する程度であれば実家のミシンを借りたり、家庭用ミシンを使えば事足ります。
さらに踏み込んで厚手の布や革の生地を縫いたいなら職業用ミシンや工業用ミシンが必要になります。
今でこそアウトドア用品を安くそろえようと思えばそれなりにそろいますが、昔はとても高価で自作した道具で登山したりするのが当たり前でした。
近年ウルトラライトな装備で登山するスタイルが流行し、持ち物を厳選するうえで既製品では満足できない層が現れました。
そして自分に合うように最適化していく過程で再びMYOGが注目されたという経緯があります。
MYOGには安い素材を加工して自分だけの道具を作り上げる楽しみがあり、既製品とは違った愛着が湧くのでハマる人はハマります。
既製品はより多くの人に適合させるためどうしても無難で平均的な作りになってしまいがちですが、本来はそこへ手を加えていくのも大切な作業でした。
自分に合う道具を探すよりも道具を自分の使い方や体型に合わせるという考え方は現代人が見落としがちな意識です。
強欲な私たちはより良い道具を追い求めてついつい時間やお金を浪費しますが、本当に自分に合うものは案外身近に存在するのかもしれません。
道具は手段であって目的ではない。言うまでもないことだが、ハイキングの目的はハイキング。装備はその目的を実現するための手段でしか無い。アウトドアギアの進歩はハイカーに大きな恩恵をもたらすが、時に新奇なギミックやブランドネームは使う側の目を曇らせる。道具を使うために山に行くのでは本末転倒だ。目先の華やかさに惑わされず、道具を道具として扱う。単純なことだがこれが案外難しい。
バックパック・テント・タープ・アルコールストーブなど、実は構造がシンプルで特殊な技術が無くても作れてしまいます。
精密機械を高度な知識や経験なしで作ることはほぼ不可能ですが、アウトドア道具はホームセンターに置いてある素材でも自作可能です。
今は手探りで情報をかき集めなくてもネット上にいくらでも転がっているのでさらに敷居が低くなりました。
国内のミシンの売上高は年々減少傾向にあり、身の回りで何かを修復したりクリエイトする道具が減ってきているように感じます。
一方で東南アジアを中心に海外でのミシン需要は高まっており、やはり物を生み出す力が国勢に影響しているのは明らかです。
日本も一昔前まではMYOG精神の宿ったお国柄でしたが、今では安易に消費することばかり考えるようになってしまいました。
既製品をただ受け身で使うのではなく、いかに自分にフィットさせるか一歩踏み込んで考える事で失われた精神を取り戻せるはずです。
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