若者のジーンズ離れは嘘か本当か?履かなくなった理由について推測する
近年若者のジーンズ離れが報じられ、実際にジーンズ市場も縮小傾向にあるためジーンズが売れない時代になっていると言えます。
他人が何を履こうがどうでも良いという人が大半でしょうが、これまで不動の地位を築いていたものが衰退する現象には興味があります。
私自身はこれまでユニクロのストレッチジーンズを何年にも渡って履き込む様子を記事にしてきたので、ジーンズとは近い距離を保ちながら生活してきました。
広義ではジーンズに含まれますが厳密にはカラージーンズやスキニージーンズなどと同じ括りになるでしょうか。
ジーンズ離れの対象をあくまで昔ながらのジーンズに限定する方が理由がより明確になそうです。
本記事ではなぜジーンズ離れが起きているのか個人的に推測していきたいと思います。
目次
ジーンズを履かなくなった理由
ジーンズの大衆化
もともとジーンズが普段着に落とし込まれた際には反体制の象徴だったり無骨で不良なイメージが若者の心を惹きつけていました。
しかし当時の若者は歳を重ねておじさんになり、また女性向けのジーンズも普及してクリーンな方向へとシフトしていきました。
老若男女問わず誰もが履いているような大衆化したものは人気がある反面、若者にとっては刺激に欠けるので次第に興味が薄れていったのではないかと思います。
ジーンズには素人でも容易に判別できるほど色の濃さや色落ち具合シルエットの違いなど実に多様なバリエーションがあります。
物によっては癖の強いアイテムを誰もが当たり前のように着ている方が異常だったと発想の転換をすると正常に戻ったと言えます。
先の見えない不況
肉厚でしっかりと裁縫された生地のジーンズを1万円以上払って買うような金銭感覚を持った若者が減り、ファストファッションで薄くて履き心地の良いジーンズを選ぶほうが合理的だと考える割合が増えてると推測します。
出始めた当初は本当にペラペラですぐに破けるような生地でしたが、今では中途半端なジーンズメーカーでは太刀打ちできないような品質にまで達しているので、むしろ中堅ジーンズメーカーが苦境に立たされています。
奇しくもゴールドラッシュ発祥で富や栄光を夢見た労働者の作業着を夢や希望に満ちあふれた若者たちが着るというポジティブなストーリーがジーンズの魅力でした。
将来に夢や希望を持ちにくい現代の若者がジーンズから離れるのもまたストーリーと関連付けたくなります。
ある一定以上の年代にはアメリカへの強い憧れがあったでしょうが、今はそうした熱量を持って履いている人は少ないでしょう。
気候の変化
日本は温帯かつ山の多い地形で四季がはっきり感じられる国でしたが、最近は亜熱帯のような気候になり春と秋が極端に短くなりました。
ジーンズは夏には暑く冬には寒いので快適に過ごせる期間が短縮されれば当然履く人も減るでしょう。
それに加えて履き始めはゴワゴワして濡れると乾きにくい特徴があるので、日本の気候とはあまり相性が良くない気がします。
ストレッチ素材の普及
伸縮性抜群のポリウレタンを編み込んだストレッチ素材のボトムスが市場を圧巻なかで、わざわざ履き心地の悪い綿100%ジーンズを履くのは苦行でしかありません。
ある程度履き込めば綿の繊維が柔らかくなり、体型に沿って伸びるので履き心地は良くなります。
人は楽な方へと身を委ねがちなので、昔ながらのジーンズはもろにその影響を受けていると思います。
加水分解という時限爆弾を抱えたストレッチ素材ばかりが普及すれば、いずれ古着文化も消滅するかもしれません。
寿命が長い
ワークウェアとして強固に作り上げられたジーンズはそもそも寿命が長く、次々と買い換えるものでもないので需要に限りがあります。
ジーンズを1本を毎日履き続けてもそうそう破けないのに、週一回程度履いたとしてどれだけ長持ちするんだという話です。
昔とは違いチノパンやスラックスも安く手に入る時代なので、ジーンズを履いて過ごす時間が減れば買い替えサイクルもグンと伸びます。
物が売れない・物であふれる時代に製品寿命の長さが仇となるのは残念でなりません。
まとめ
一度大衆化したものですから完全に廃れることはないにせよ、ジーンズを履かない要因がある限りは市場の衰退は免れないでしょう。
アメリカにかつての勢いはなく混沌とする世界のなかでジーンズもまたこの時代を生き残ろうともがき苦しんでいます。
ジーンズは80年代にも低迷期を迎えますが、90年代には再び隆盛を取り戻し危機を脱しました。
ジーンズメーカーがまた新たな価値観を打ち出せれば、またかつてのような輝きを取り戻せるはずです。
おじさんは若者よりも早くこの世を去り、女性は目まぐるしく変わるトレンドを追いかけるのに必死です。
従来の大衆的なアプローチではなく、もっと若者を惹きつけるようなジーンズへの熱量が求められるでしょう。
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