Boards of Canadaの真髄 Old Tunes 過小評価されている彼らの未発表曲は日産CMに使用されるほどのクオリティ
Photo by Warp Records
Boards of Canada (ボーズ・オブ・カナダ) はスコットランド出身のマイケル・サンディソンとマーカス・イオンの兄弟による電子音楽デュオです。
彼らの独特の楽曲は世界中の人を魅了し数多くのフォロワーを生み出しました。
Boards of Canadaは1986年結成なので、30年を越すキャリアを持ちながらオリジナルアルバムはわずか4枚で、ライブもほとんど行わないため謎の多いアーティストです。
楽曲のクオリティや業界に与えた影響に比べてそれほど知名度がないので、音楽史において過小評価されているアーティストのひとつでしょう。
ビジネスとしてはライブなどで露出を増やしてファンに向けた活動を積極的に行う方が正解ですが、Boards of Canadaはもっと本質的な音楽を追求している気がします。
彼らの代表作であり1stアルバムの『Music Has the Right to Children』が発売されたのが1998年で、不朽の名盤として世界的な評価を受けましたが、それ以前にもカセットやレコードで限定リリース作品を作っています。
その中にはTwoismのようにCDで再発された作品もありますが、クオリティが高いのに再発すらされていないのが『A Few Old Tunes』と『Old Tunes Vol. 2』です。
近年のアナログフォーマットの人気でカセットテープの価値も上がっており、Discogsで最も人気がある10本でも紹介されています。
Warp RecordsやSKAMと契約する前のMusic70というレーベル時代の作品は、下手すると1stアルバム以降よりも優れた作品があり、コアなファンをより沼らせる作品となっています。
Old Tunesはカセットテープ録音でアーティストの家族や友人のみに非公開でリリースされたもので非常に希少価値が高いです。
Boards of Canadaとは毛色の違う楽曲が混ざっていたり荒削りな部分もありますが、『5.9.78』という曲はBoards of Canadaのなかでも間違いなく5本の指に入るほどの傑作です。
牧歌的で哀愁漂う雰囲気はまさしくBoards of Canadaのソレですが、これほどの曲が未発表曲のなかにさらっと混ざっているのが彼らの凄みでしょう。
そもそも非公開リリースなので本人たちが作った曲かも怪しく謎に包まれていた曲ですが、日産のCMに使用されたことで信憑性が高まりました。
商業ベースに乗っていない時代だからこそのBoards of Canadaの真髄が詰まっており、そんな曲が時を経て注目されたのは素晴らしいことです。
Old TunesはなぜかInternet Archiveに丸ごと公開されているので、ありがたく拝聴しましょう。
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