ターシャ・テューダー 静かな水の物語 生誕100年記念映画で垣間見える自立した生き方

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アメリカの絵本画家・挿絵画家・園芸家(ガーデナー)・人形作家であるターシャ・テューダーの生誕100年を記念して映画『ターシャ・テューダー 静かな水の物語』が制作されました。
彼女は両親や親族が地元の名士と呼ばれるほどのエリート家系に生まれ育ちますが、華やかな世界には馴染めず田舎の農場で生活することに魅力を感じていました。
ターシャが9歳の時に両親が離婚して、田舎に住む両親の友人の家に預けられことが後の人生に多大なる影響を与えたのだと思います。
15歳で学校を止めて絵画と農業の勉強に時間を費やすことも強い決心が無いと実行できることではありません。
23歳で結婚して4人の子供にも恵まれ、夫の強いすすめで絵本作家デビューしますが、自身も46歳の時に離婚を経験します。
それから児童文学に新たな新風を吹き込んだ作品をいくつも制作し、絵本作家としての地位を確立すると共に数多くの賞を受賞しました。

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子供の頃から憧れていたスローライフな生活をするため、57歳でバーモント州南部の小さな町はずれマールボロに移り住みます。
30万坪にもおよぶ広大な土地に長男がひとりで自宅を作り上げ、愛犬のコーギー犬にちなんで『コーギー・コテージ』と名付けられました。
電気や水道など近代的な設備は最小限に抑えて、暖炉や薪オーブンのある昔ながらの生活を生涯に渡って続けました。
必要なものはなるべく自分で作ったり育てる自給自足な生活がターシャには一番心地の良い環境でした。
スローライフというと何もせずゆったりと時間を過ごすイメージですが、ターシャは美しい庭を維持するために1日の大半を草花の手入れにあてるほど世話好きなので、むしろ忙しい毎日を送っていたのかもしれません。
92歳で亡くなるまでこの庭で四季の移り変わりを感じながら、自由な時間を過ごせたのはとても贅沢な人生だなと思います。
ターシャ・テューダーの凄いところは高度経済成長まっ只中のアメリカにおいて、このような懐古的であり先進的な暮らしを何十年もぶれずに続けてきた事でしょう。
悪く言えば自分のテリトリーを作ってそこへ引きこもる生活ですが、それでも社会の雑踏に巻き込まれて暮らすより自分の理想とする暮らしを選んだのでしょう。
人間が生きていく上でどうしても他人の意見に流されてしまったり、妥協してしまう事もたくさんありますが、ターシャの人生は一貫して自分の好きな事を貫き通した生き方に見えます。
もちろん見えない部分で苦労や葛藤もしているとは思いますが、物や情報で溢れかえり自立した生き方を忘れてしまった現代人には、本来あるべき人間の姿や自立心を呼び起こすような暮らしは羨ましくもあります。
ターシャの死後に広大な土地と全遺産を相続した長男に対して、疎遠だった残り3人の子供たちが遺産が貰えなかったと長男相手に訴訟を起こすのも実に人間の欲深さを感じます(笑)









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