ヘビーデューティーな物を長く使い込むことで愛着を持ったり経年変化を楽しむ


Photo by Bradley Gordon

ヘビーデューティーとは”激しい労働や過酷な自然条件に耐えられる実用性のある物“という意味で、日本でも1970年代にアメリカのヒッピーや自然回帰の流れを受けてアウトドア・ミリタリー・ワークといった実用的な製品を生活に取り入れるようになりました。

ある意味アメリカの合理主義による大量生産の象徴とも言えますが、丈夫で長持ちすることは脱消費社会を見すえる現代にもフィットします。

私が物を選ぶうえで常に念頭に置いているのがこのヘビーデューティーという概念で、なるべく長く使い続けられる物で身の回りを固めたい願望が日に日に高まっています。

製品の品質は値段に比例することが多く、そうなると高級品ばかりそろえなければダメな気がしてきます。

しかし値段に対する品質の差はある一定の曲線を描いてなだらかに落ち着きます。

つまり値段と品質のバランスが優れた製品を買うのが賢い消費の仕方ではないでしょうか。

そしてその中でも実用品として開発されているものはより品質が安定しているため、耐久性に優れた使い勝手の良い物がそろっています。


Photo by Riley

ファッションにおいても例えば全身古着だとどこか野暮ったく感じてしまいますが、小綺麗な格好に1つや2つ使い込んだアイテムを取り入れるとそれだけでオシャレに見え人間としての深みが出ます。

全身ユニクロでもある程度丈夫な商品を選んで使い込めば味が出るかもしれませんが、使い込むと素材の良し悪しがはっきりと出るので味というより劣化して終わる可能性があります。

私がオシャレだと感じる人は流行りの服や高級ブランドばかりで着飾った人ではなく、シンプルな服装だけれどさり気なくこだわりのアイテムを取り入れている人です。

そういった人は下手に周囲に流されず自分自身と向き合っているので少々のことではぶれません。

同じものを使い続けるとそのうち飽きが来ないかと心配になりますが、使い続けることを前提として作られたものはそれだけ洗練されています。

経年変化によって体に馴染みその時その時で微妙に違った見え方をするので、同じものだけれどいくつも所有してきたかのような満足感が得られます。

一時の断捨離ブームも物を減らすことでひとつの物を使う機会を増やして品質を見極めていく作業の一環ではないかと思います。

このような思考になると箸一本買うにも一日中入念に調べ上げて結局購入に至らないこともありますが、無駄にあれもこれも買って散財することは減るでしょう。

とはいっても何事もほどほどに抑えるのが一番なので、割り箸もよく使いますしマイ箸も持ち歩いてはいません。

ヘビーデューティーの概念を生活の中にうまく取り入れ、末永く愛用できるものを少しずつそろえる楽しみを見出だせれば、それは幸せなことではないでしょうか。


ヘビーデューティーの本 (ヤマケイ文庫)