皮革製品が値上がりして贅沢品となり合成皮革や人工皮革が大半を占める未来が近づいている

ここ数年で皮革製品が世界的に値上がりを続けており、今まで手の届く範囲だった良い皮革製品が贅沢品に変わりつつあります。

その背景には発展途上国などにおける需要の高まりや、蛇やワニのような家畜以外の皮が規制により入手しづらくなっていることが関係しています。

また欧米でベジタリアンが増加しており、肉食の減少によって副産物だった牛革や豚革の量も少なくなっているようです。

もともと広大な土地を持ち肉食文化の盛んだった欧米が自らそれを拒絶することで、結果的に皮革製品にも影響を及ぼしています。

革文化は日本ですら1000年以上の歴史があり、本場ヨーロッパともなると紀元前までさかのぼります。

これだけテクノロジーが進歩しても皮革製品は世の中に溢れており、財布や革靴など肌見放さず身につけるような素材として使われています。

丈夫で使い込むほど経年変化によって色艶が良くなり、良質な皮革だと子や孫の代まで世代を超えて引き継がれることもあります。

それに対して合成皮革や人工皮革はポリウレタン樹脂で表面をコーティングしたり、繊維自体に染み込ませることで皮革に似せた素材に仕上げています。

合成皮革は水を弾いて汚れにも強くメンテナスフリーですが、ポリウレタンの寿命が尽きると加水分解でボロボロになるので経年変化を楽しむことができません。

皮革が値上がりすると今まで天然皮革で作っていた商品を合成皮革へ切り替えないとコストを抑えられない状態になり、市場全体で合成皮革の割合が増えていく可能性があります。

一方でハイブランドの売上は好調なため良質な革が自然と集まるようになり、贅沢品の天然皮革と安価な合成皮革という二極化が進むでしょう。

皮をなめして革へ変えるタンナー (なめし業者) もこの先厳しい時代を迎えるはずなので、皮革製品の価値は上がる一方です。

合成皮革もしくは品質の悪い皮革製品が市場にあふれて、ごく一部の人間だけが上質な皮革に触れるという未来がやってくるかもしれません。

すなわち良質な革製品がほしいと思った時に待ちではなく、即決断して買う方が値上がりして後悔せずに済みます。

そもそも革製品にそれほど関心がない人であれば、合成皮革で作られた製品を使い捨てる方が合っていますが、今後ますますその傾向が強まるのではないかと懸念しています。

サステナビリティ (持続可能性) が注目される昨今において、使い捨てるしかない合成皮革は時代錯誤ではないでしょうか。

牛一頭生産するにも膨大なエネルギーが必要ですが、合成皮革と比べてどちらの方が地球にとって負荷が高いのか気になります。

天然皮革からすれば合成皮革の歴史など有って無いようなものなので、もし迷ったらより原始的な方を選ぶのが確実でしょう。