精密コマ 長野県岡谷市で開発・製造された日本のモノづくり技術の結晶


Photo by seimitsu-koma.jp

大人なら子供の頃に一度はコマ回しで遊んだ経験があるとは思いますが、今の子供はそもそもコマと触れ合う機会がそれほどないので逆に新鮮かもしれません。

人はなぜコマ回しをするのか調べていくと、紀元前のエジプトや古代ギリシャでもコマ回しが行われていたようです。

世界各国でコマが発見されていることから、力学的・工学的な面で昔から人々を魅了しているのでしょう。

先の尖ったアンバランスな物体が重力に逆らって回転する様は神秘的な美しさがありますし、永遠に回り続けることなくいつか終わりを迎える儚さを持っています。

コマを感じで書くと独楽と表記しますが、まさに独りで回しても楽しめる遊びです。

さらに喧嘩ゴマのような対戦要素や曲芸として発展させたものまでコマの遊び方は多種多様です。

なかでも最も古典的な指でひねって回すひねりゴマの精度を極限まで高めたものが精密コマです。

精密コマで有名なのが長野県岡谷市の町工場で製造されているネクストというグループの製品で、世界トップクラスの技術力を持っています。

何かと海外メーカーに押されっぱなしな時代において、国内メーカーが本気で作り上げたプロダクトを手にする喜びがあります。

ステンレスを丸ごと削り出して作る精密コマは非常に精度が高く、最長記録は大型のクロノス級で11分23秒と驚異的な数字です。

大型と言っても直径20mm程度なので指先で摘めるサイズですが、それでも5,500円するのでいきなり精密コマに手を出すには気が引ける価格です。

スターライトミニSPは直径10mmとクロノスの半分ほどのサイズで、小さすぎて無くしてしまいそうな感じですが価格が1,000円とクロノスに比べると比較的手を出しやすく、公式記録では最長4分17秒と申し分ない精度なので最初に買う精密コマとしておすすめです。

投げゴマは紐を巻いて豪快に投げるので野外や広い場所が必要になりますが、ひねりゴマであれば机の上で静かに回せるので現代の生活に合っています。

ただ精密コマはその特性上それほど大きくはできないので、記録を狙ってきちんと回すのは以外に難しいです。

記録保持者が小学3年生なのでむしろ手の小さな子供のほうが精密コマを回すのに優れているかもしれません。

タイガー商会の地球ゴマのように昔は気軽に買えていたものが時代の変化と共に消え去り、今ではプレミア価格となっている例もあるので、精密コマ職人の卓越した技術を残すためにも国内メーカーには頑張ってもらいたいです。

【岡谷】精密コマ(スターライトミニ)を小学生が本気で回してみた①