和蝋燭 (和ろうそく) 風がなくても揺らめく炎は息を吹きかけても消えない程の力強さを持つので野外や防災用にも向いている


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電気の明かりに慣れている現代人にとってはロウソクの灯りが特別なものに見えます。

実用的な照明というよりは仏壇で線香に着火するためだったり、誕生日ケーキに挿してあったり、アロマキャンドルでリラックスしたりと視覚的な明るさではなく精神的な用途に使われます。

世の中にあるほとんどのロウソクは西洋ろうそくで、それこそちょっと風が吹いたり子供が息を吹きかけるだけで簡単に消えてしまいます。

それとは別に日本で独自に発展した和蝋燭 (和ろうそく) があり、こちらは息を吹きかけたくらいでは消えることのない力強さを持っています。

なぜ和ろうそくは消えにくいかというと中が空洞芯になっているので、常に新鮮な空気が供給されて炎の耐久性が上がっているからです。

また原料が植物由来なので油煙の発生が少なく人体にも優しい成分で作られています。

炎が大きいということはそれだけ明るいので、西洋ろうそくと比べると周囲の明るさに違いが出ます。

西洋ろうそくは石油から分離されたパラフィンが原料なので安価に大量生産できますが、和ろうそくはハゼの実・植物性の油脂・ソイワックス・米糠などで作られているのでどうしてもコストがかかります。

日常使いには高いですがキャンプや防災用として考えると洋ろうそくの上位互換だと言えるでしょう。

西洋ろうそくはどうしても人工的な印象ですが、和ろうそくは炎が生き物のように動き香りも嫌味がないので、アロマキャンドルとは違った癒やし効果があります。

一度でも和ろうそくの良さを知ると西洋ろうそくには戻れなくなるほど魅力的な灯りです。

停電時にロウソクの明かりを頼りに生活を余儀なくされた場合、ロウソクが簡単に消えてしまうようでは不安なので、和ろうそくの消えない炎に安心感を覚えるでしょう。

和ろうそくは江戸時代に普及しましたが、当時は贅沢品で庶民が室内照明に使うには適さず、燭台や提灯などに乗せて野外へ持ち歩く灯りでした。

ということは元からアウトドア向けの使われ方をされていたということです。

ロウソクが高価なので大半は再生蝋燭か魚油や菜種油で我慢するしかなさそうですが。

江戸時代どころか昭和の戦前ごろまでは大都市以外では街灯が少なく懐中電灯も高価だったため提灯が使われていました。

人工的な照明のない真っ暗な夜道を提灯で照らしながら歩くというのは今では贅沢に感じるから不思議なものです。

和ろうそくは一昔前に存在した質素だけれど贅沢な暮らしの雰囲気を味わえる貴重な道具だと思います。

LEDの高輝度で突き刺すような明かりに慣れてしまうのは生物的にどうなのか不安になるので、たまには日本が生み出した和ろうそくの優しい灯りに癒されてみるのも一興です。

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