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油圧式ラムポンプ (水槌ポンプ/水撃ポンプ) 水が持つ運動エネルギーのみで電気や燃料を使わずに揚水する装置

油圧式ラムポンプ

電気なしで水が上がる理由・使える条件・失敗しない考え方

油圧式ラムポンプは、簡単に言うと次の装置です。

水が自然に流れ落ちる力を使って、
その水の一部を高い場所へ押し上げるポンプ

最大の特徴は電気もエンジンも人の操作も一切いらないことです。


まず結論:誰でも使える装置ではない

最初に一番大事なことを書きます。

油圧式ラムポンプは、

  • 条件が合えば「最高の装置」
  • 条件が合わなければ「全く役に立たない装置」

です。

仕組みを知らずに導入すると、ほぼ失敗します。


なぜ電気なしで水が上がるのか?

答えは一つだけです。

ウォーターハンマー (水撃現象) を使っているから

ウォーターハンマー (水撃現象)とは、流れている水を急に止めたときに発生する一瞬だけの強い衝撃圧力のことです。

身近な例

  • 蛇口を勢いよく閉めたときの「ドン!」という音
  • 配管がガンと揺れる現象

普通はトラブルの原因ですが、油圧式ラムポンプはこの衝撃をエネルギーとして使います。


油圧式ラムポンプの動き(超シンプル)

動きはたったこれだけです。

  1. 水が流れる
  2. バルブが急に閉じる
  3. 水槌で一瞬だけ高圧が出る
  4. その圧で水の一部が押し上げられる
  5. また水が流れ始める

この動作を1分間に何十回も自動で繰り返すだけ。

モーターも制御装置もありません。


どれくらい水が上がるのか?

ここは必ず理解してください。

上げられる「高さ」

  • 水が落ちる高さの 10〜20倍

例:

  • 落差1m → 約10〜20m上へ送水
  • 落差2m → 約20〜40m上へ送水

高さにはかなり強い


上げられる「水の量」

  • 使える水は 全体の5〜10%
  • 残りは捨て水として流れ続ける

例:

  • 毎分20L流れても
  • 上に行くのは1〜2L程度

大量の水を一気に使う用途には向かない


使える場所・使えない場所

使える場所

  • 沢・用水路など水が流れている
  • 50cm〜1m以上の高低差がある
  • 水量がある程度安定している

使えない場所

  • 完全な平地
  • 水がチョロチョロしか流れていない
  • 一時的にしか水が出ない

「高低差」と「水量」この2つが必須条件


油圧式ラムポンプが向いている用途

  • 山の畑・果樹園への給水
  • 山小屋・別荘の生活用水
  • 停電時の非常用水源
  • 電気を引けない場所の常設水源

共通点は少量でいいから止まらず水が欲しいという用途です。


向いていない用途

  • 一気に大量の水を使いたい
  • 短期間だけ使いたい
  • 設置や調整をしたくない

こういう場合は普通の電動ポンプの方が確実です。


自作で失敗する人の共通点

よくある失敗はほぼ決まっています。

  • 安価な塩ビ管だけで作る → 圧に耐えない
  • 配管が短い → 水槌が弱い
  • エア室の空気が抜ける → 数日で動かなくなる

「なんとなく作った」が一番危険


市販品と自作、どちらが正解?

  • 初心者・防災目的 → 市販品
  • 原理を理解したい → 自作
  • 長期運用 → 設計理解が前提

「安く済ませたいから自作」は失敗する可能性が一番高い選択です。


まとめ:油圧式ラムポンプは「知っている人だけが得をする装置」

油圧式ラムポンプは、

  • 電気不要
  • 燃料不要
  • 壊れにくい

という非常に強力な装置です。

ただし、

  • 高低差がない
  • 水量が足りない
  • 仕組みを理解していない

このどれか一つでも欠けるとただの置物になります。

逆に言えば条件さえ合えば、何年・何十年と何もせずに水を供給し続ける優れた装置になります。

「少量でもいいから、確実に水を得たい人」にとって、油圧式ラムポンプは今でも最強クラスの選択肢です。

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Posted by Coro