しょっぱい梅干しや渋いお茶が減り人工甘味料などの食品添加物に舌が慣れてしまう怖さ


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一粒でご飯何杯もいけそうなほどしょっぱい梅干しや、食後に飲んで口の中をスッキリさせ一息つける渋いお茶は昔から日本の食生活に欠かせないものです。

しかしスーパーやコンビニで販売されている商品の多くは、減塩してかつおだしやハチミツや人工甘味料で味付けされた梅干しや渋みのない薄めのお茶ばかりです。

梅干しであれば本来は完熟梅と粗塩に色付けの赤紫蘇があれば作れるはずですが、昔ながらの梅干しは肩身が狭い状況です。

私はしょっぱい梅干しが好きなので甘い梅干しには違和感を感じます。

健康志向による減塩は理解できますが、梅干しにはカリウムが豊富に含まれており、利尿作用や体内の余分な塩分を排出する効果があります。

よほど腎機能に異常がなければ適量を食べるだけなら何の問題もありません。

梅干しはさすが古代から食べられているだけあって塩分とナトリウムやカリウムのバランスが良く完成された食品なのです。

それをただ塩分濃度が高いからという理由だけで減塩したり、甘味で誤魔化すような処理したら梅干し本来の良さが発揮できません。

今の世の中しょっぱい梅干しを作るのは時間や手間が掛かるので、梅干しに似せた何かを作ることでコストダウンを図るのは自然な流れです。

様々な食品に当たり前のように人工甘味料などの食品添加物が含まれているので、それに舌が慣れてしまうと味覚の基準が狂ってきます。

テレビのグルメ番組を見ても甘い柔らかいマイルドのオンパレードで、無意識にそれが美味しさの基準だと刷り込まれてしまいます。

お茶に関しても以前久しぶりにサントリー烏龍茶を飲んだ時、明らかに渋みが薄くなり物足りなさを感じた事がありました。

緑茶に関してもペットボトルのお茶が中心となり急須でお茶を入れる人が減った結果、渋みを抑えたがぶ飲みできるお茶が人気です。

消費者がそうした味を求めているのか、現代人の味覚が急速に変化しているのかもしれません。

緑茶の品種でも渋みが弱く甘みの強いやぶきたという品種が大半を占めるようになり、明治以前から飲まれていた野性的な味わいの在来種は風前の灯です。

桜のソメイヨシノのように挿し木いわばクローンで増やすので、育てる環境の違いはあれど味が均一になります。

在来種は実生 (種まき) で新たな株を増やせるので、しっかりと根付き大地の栄養を吸収して立派に育ちます。

血統の良さかそれともチャノキ本来のエネルギーを蓄えたお茶かで好みが分かれると思います。

癖のない味や香りの方が万人受けしますが、味の奥行きが失われた商品ばかりが店頭に並ぶと食材本来の旨味を感じることなく狭い世界で基準を定めてしまいます。

このような現状を踏まえた上でどうしてもしょっぱい梅干しを食べたいなら、梅干しは自分で漬けるか昔ながらの製法で梅干しを作っている業者の商品を買いましょう。

渋いお茶を飲みたければ在来種を大切に育ててお茶作りをしている農家のお茶を選びましょう。

品質が均一なものがもてはやされ不均一なものが悪とされる時代にしっかりと本来のお茶を味わうことは、きっとお茶の概念を広げてくれます。

必要最低限の材料のみで丁寧に時間をかけて作られたものは何度味わっても飽きません。