レンガブロックを積み上げるだけの簡易ロケットストーブの作り方
ロケットストーブといえば燃焼効率の良くシンプルな構造なので、ペール缶などを加工して自作できることで知られています。
ただしペール缶のロケットストーブには欠点があり、まずペール缶がスチール製なので屋外に放置すると錆びやすいのと、ペール缶に穴を開けたり断熱材としてパーライトが必要だったりと多少なりとも手間がかかります。
また数ヶ月で燃焼筒 (ヒートライザー)が溶けてしまいパーライトが漏れ出すなど、素材にもよりますがそれほど耐久性があるわけでは無さそうです。
もっと簡単に作れてなおかつ耐久性にも優れたロケットストーブを調べたところ、ブロックを積み上げるだけの簡易ロケットストーブを見つけました。
構造としては極めてシンプルでコンクリート (モルタル)ブロックを互い違いに積み上げているだけです。
途中に網を挟むと完全燃焼した灰は下へ落ちて空気の通りも良くなります。
ブロック自体に重量があるので特に接着する必要もなく、屋外で雨ざらしにしても錆びて劣化する心配がありません。
動画ではコンクリートブロックを使用していますが、レンガブロックの方がより断熱性があり炉内の温度を高く保てるのではないでしょうか。
レンガのなかでも特にピザ窯に使われるような珪藻土が原料の耐火断熱レンガが最適のようです。
もっとブロックの数を増やして4口のキッチン用ロケットストーブを組み上げた動画を見つけましたが、燃焼効率が非常に良いためが煙がまったく出ずに火種部分はまさしく炉という感じで煌々と炎をあげています。
薪や小枝から出る可燃性ガスを利用した二次燃焼を火力にしているので、これだけ火種から離れたコンロでも十分な火力を得られるというわけです。
燃えた薪から火力を得ているわけではないので、焚火台というよりもガスコンロのほうがしっくりきますね。
ブロックのロケットストーブはブロック自体の断熱性が高いため、まわりを断熱材で覆う必要も無くレンガの特性を上手に利用している点も素晴らしいです。
欠点をあげるとすれば基本的に設置した場所から動かせないことですが、接着していないブロックなのですぐに分解して組み立てれば移動したも同然でしょうか。
大きな地震が起きたら崩れる心配がありますが、ブロックが割れさえしなければすぐに組みなおせるのも簡易ロケットストーブの良いところです。
ブロックを接着したり固定すれば耐震強度を高めることができるでしょう。
薪が無くても小枝がそれなりに手に入る場所であれば、災害時に電気もガスも使わない第3のコンロとして役立つかもしれません。
もし小枝が無くても市販の木質ペレットを燃料にすれば環境にも優しいです。
ただし世の中にはカセットガスコンロという圧倒的に便利な製品があるので短期的には敵いませんが。
非常時には移動の簡単なペール缶で常用には耐久性のあるブロックという感じで棲み分けできそうな気がします。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません
この記事のトラックバックURL
新着記事
腰掛け扇風機 (ベルトファン) は空調服よりも気軽に身につけられる熱中症対策グッズ
腰掛け扇風機 (ベルトファン) という新たな選択肢 ここ最近の日本の暑さは命に関 ...伝統野菜を守るのはもう限界か?在来種の種を燃やすしかない
私たちは普段スーパーで手軽に様々な野菜を手に入れていますが、その一つ一つに壮大な ...シュンペーターが予見した未来:成功が招く資本主義の黄昏と、日本経済「失われた30年」の真実
経済思想家であり評論家の中野剛志氏が、20世紀を代表する経済学者ヨーゼフ・シュン ...ホルムズ海峡が封鎖されたら世界はどうなる?経済・軍事・日本への影響を徹底解説
世界の原油供給の約2割が通る、たった幅数十kmの海の道「ホルムズ海峡」。この海峡 ...ドクダミ駆除の最適解か?除草剤不要で葉も収穫して有効活用する方法
Photo by Otota DANA ドクダミとの賢い付き合い方:駆除と共存の ...ピックアップ記事
カテゴリー
このブログを購読