ヘリコンテックス ポンチョ 雨具・ツェルト・タープ・グランドシートなどに使えるミリタリー由来の万能アイテム

日本で日常的にポンチョを着ている人は少なく、雨の日にレインポンチョを着てママチャリを漕ぐお母さんを見かける程度でしょうか。

雨が降れば傘を指しますし合羽を着れば服が濡れることもありません。

登山にもポンチョでは下から吹き上げる風に対して無力なのでセパレートタイプのレインウェアが選ばれますし、ツェルトやタープやグランドシートも個別に用意します。

良く言えば万能アイテムですが悪く言えば器用貧乏なアイテムであるポンチョが選ばれるのは、なるべく持ち物をシンプルにしたい軍用などでその真価が発揮されます。

ミリタリーポンチョにはハトメやボタンが付いており、広げると正方形のかたちをしていて状況に合わせて変形します。

フードの穴から水が浸入しないか不安になりますが、ロープで縛れば大丈夫のようです。

あえて開放したままにしておけば、雨を防ぎながら雨水をフードに貯めることで内側から飲み水を確保することもできます。

袖の付いたミリタリーポンチョもありますが、腕が濡れずに快適な分他の用途には使えません。

ヘリコンテックス ポンチョは米軍で支給されているミリタリーポンチョを民生品として最適化したもので、素材や細部の作りが改良されています。

USミリタリーポンチョの素材がナイロンなのに対して、ヘリコンテックスはわずかに強度の落ちるポリエステルを採用しています。

ポリエステルはほとんど吸水性がないので乾きが早く、どちらもリップストップ生地なのでよほどハードに使わない限り強度の差は感じないでしょう。

リュックサックを背負って行動する場合ポンチョが上から覆ってくれるのでレインカバーの役目も果たしてくれます。


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またレインジャケットのようにショルダーベルトとの摩擦がなく、平地ではさっと羽織れて湿気を下から逃がすポンチョの方が快適なことも多いです。

ツェルトのような非常用として滅多に使う機会のないものを例え軽量でも荷物に入れておくことは、それだけ容量を圧迫してしまうので、より機能性の高いポンチョにするのも有りかもしれません。

モンベルなどから軽量のポンチョも販売されていますが、軽量化する犠牲として劣化しやすいPUコーティング加工がされています。

非常用として保管しておいてもいざという時に加水分解してベタベタに溶けたり生地がボロボロだと話にならないので、なるべくPUコーティングのポンチョは避けたいところです。

そう考えると大昔の三度笠や蓑はかさばるけれどよく考えられた雨具だと言えます。

ミリタリーポンチョが劣化しやすくては困るので、米軍タイプにならった作りであればおそらくPVC (ポリ塩化ビニール) かと思われます。

MIL-TEC ポンチョには記載があるので、重いですが確実にPVCコーティングのポンチョが欲しければそちらでも良さそうです。

長時間歩き続けて休憩するためにツェルトのロープやペグを張る気力すらない場合でも、ポンチョを着てその場にしゃがむだけで簡易ツェルトになるのもポンチョの利点です。

アウトドアのみならず防災用としてもトイレや着替えの目隠しとして使えるので、防災グッズとしてのポンチョも出回るようになってきました。

無くても何とかなるが有ると安心するのがミリタリーポンチョの魅力であり、常に変化する自然の中で柔軟に対応できる使い勝手の良い道具です。

Helikon Poncho Review