政府備蓄米を輸入に頼ると日本のアイデンティティが失われる 主食の国産米が消滅危機
政府備蓄米の現状と課題:輸入依存がもたらす国家の危機
政府備蓄米をすべて放出した場合に政府は輸入によって補充を行うようです。
記録的な冷夏で大凶作だった1993年には大量のタイ米を輸入しましたが、今回は単純に国力の低下と政策の失敗により政府備蓄米が放出されることになりました。
気候的に稲が育たなかったり、田んぼが物理的に破壊されたわけでもないのに国内で国産米が流通しなくなり、挙句の果てに輸入しなければ補充の目処が立たないという異常事態です。
もし今後事態が収束せず輸入米が流通するようになれば日本のアイデンティティが失われたといって過言ではないでしょう。
主食を輸入に大きく頼っている国はいくつかあり、韓国は同様に食料自給率が低いことで知られています。
韓国はまだ国家としての歴史が浅く、主食についても日本ほどアイデンティティが確立されていません。
オランダは国家戦略として意図的に穀物自給率を下げ、より付加価値のある加工食品や高付加価値農産物を積極的に輸出して外貨を獲得しています。
中東諸国(カタール、クウェート、バーレーン、サウジアラビアなど)は気候条件から農業生産が難しいため、食料のほとんどを輸入に頼っています。
シンガポールや香港は国土が狭く農業生産がほとんどできないため、食料の大部分を輸入しています。
それに比べて日本は非常に作物が育ちやすい恵まれた環境を持っているのに、自らそれを手放して輸入に頼るという愚策をしています。
もちろん島国なので肥料や燃料は輸入しなければならず、すべて国内でまかなうことは難しいですが、一番大切である主食を自国でまかなえないのは国家の危機だと思います。
島国はいくら防衛を固めても兵糧攻めされれば成すすべなく崩壊するので防衛面でも深刻な問題です。
意味のないものばかりに税金を投入し、それに中抜き業者が群がり、ついには国産米までもがその餌食となり市場を混乱させました。
そもそも政府備蓄米とJAや卸売業者等が保有する民間在庫を合わせても需要量の約半年分しかなく、それ以上の期間米不足が続くと何かしら経済に支障が出てきます。
米の栽培期間は種まきから収穫まで約1年間かかるので、急に増産しようと思ってもできないのです。
島国という特性を考えれば余裕のある備蓄量が必要ではないかと思います。
中国は政府だけで半年分の食料備蓄があり、危機管理体制としては中国の方が優れています。
いくら日本人の米離れが進んだとはいえ、国産米が高級品になり庶民は輸入米しか食べられないのが当たり前になる国にはなって欲しくありません。
主食を他国へ依存することは日本が2000年以上前から培ってきた米文化を終わらせることになるので、絶対に阻止しなければなりません。
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