日本の少子化が進行すると森林や野生動物など手つかずの自然が戻って来る

人工林から手つかずの自然へ
1950年代から現在に至るまで日本の少子化は歯止めがかからず、ものすごい勢いで人口が減り続けています。
日本経済にとっては暗いニュースばかりですが、同じ国土に住む動植物たちにとってはかつての自然が蘇りつつあるので、むしろ喜ばしいことかもしれません。
服部文祥さんと角幡唯介さんという冒険・狩猟・登山などに精通する2人の対談でそのことが語られていました。
日本は人口密度が高くヨーロッパ各国の首都と比べても、むしろ日本の地方都市のほうが高い人口密度です。
山が多い国ですが例え山奥に足を踏み入れても何かしらの人工物や林道に出くわすので、何日も手つかずの自然の中を歩くことは難しいです。
狩猟において開けた林道は獲物を狙いやすい環境ですが、その反面森林の中で獲物を探すよりも面白みには欠けるでしょう。
国内で手つかずの自然となると北海道の日高山脈周辺くらいしか残っていないようです。
北海道出身の作家である今野保は日高を舞台にした渓流釣りや狩猟の物語を描いた作品を残していますが、物語の中の情景は今のは別物であり、経験豊富な2人でも羨むような日本古来の自然の姿を文章を通じて感じ取ることができます。
すでに地方では間伐など森林の管理が行き届かなくなっている場所が増えており、人工林は年月をかけて更新され天然林に変わり、何れは原生林へと戻っていくと思われます。
本州の原生林はブナ、ミズナラ、カエデ類が中心でカシ類、シイ類、クスノキなどの照葉樹林など広葉樹によって構成されていました。
人の手によってスギやヒノキが植林され、薪や炭などの燃料や住宅の建材や生活用品の材料に使われるようになりました。
そして太平洋戦争中は軍需資材や燃料の需要が急増して大量に伐採され、戦後は戦災で焼失した都市や住宅の再建のために再び大量の木材が必要となり、成長が早く加工しやすいスギと耐久性が高く香りが良いヒノキが各地で植林されました。
常緑の針葉樹は広葉樹の原生林とは違い年中薄暗い環境なので、地表には下草が生えず落ち葉も少ない土は痩せてパサパサに乾いてしまいます。
日本全国どこへ行っても同じような人工林だらけの風景になってしまったのは、日本政府の責任に他なりません。
究極の遊び場
森林資源は日本の復興を支えた原動力であることは間違いないですが、さすがに何十年も経ち将来へ向けて新たな国家像を築き上げる時期だと思います。
間伐されない人工林は過密状態で日光や養分を奪い合い荒廃していくでしょう。
おそらくその環境で育つ植物が針葉樹に取って代わり、最終的にはブナの原生林へと戻っていくはずです。
もしくは全く別の極相 (生物群集の遷移の最終段階で見られる平衡状態) になるかもしれません。
人の気配を感じない森林では野生動物たちの生態系が形成され、森林と一体となり日々生死が循環していくようになります。
開拓者たちが命がけで築き上げてきた大地も自然へ還っていくと思うと少し寂しい気持ちになりますが、それもまた人間による一時の隆盛に過ぎないと考えるしかありません。
熟練したアウトドアマンにとってそうした手つかずの自然は究極の遊び場であり、むしろ歓迎していることでしょう。
日本の原風景に回帰したころに日本人が存在しているかわかりませんが、きっと厳しくも魅力にあふれた場所になっているでしょう。









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