【芋エネルギー】サツマイモやジャガイモを空中栽培で育て芋発電する研究
東日本大震災および福島原発事故があって以来エネルギー問題について議論される機会が増えました。
原発を動かす動かさないのせめぎ合いや核廃棄物の処分場についてなど問題は山積みです。
そんな中サツマイモやジャガイモを畑ではなく三脚などに袋をぶら下げ、立体的な構造で育てて収穫した芋を燃料にする研究が行われています。
近畿大学の鈴木高広教授が芋エネルギーの第一人者としてメディアにも度々出演されています。
芋を燃料にするメリットはたくさんあり、まず栽培が簡単で丈夫であること、そして発酵液を蒸留すればバイオエタノールが生成され、乾燥させれば芋チップとして石炭の代わりになることです。
芋に含まれるデンプン質は非常に燃焼効率が良く、燃やしてもほとんど有害物質を出さないので環境にも良いそうです。
ただ芋の栽培には広大な土地が必要になってしまいがちですが、それを解消したのが空中栽培と呼ばれる狭いスペースで多くの芋を栽培する方法です。
トウモロコシやサトウキビでは背丈があるのでどう頑張っても畑が必要になりますが、芋であれば吊り下げた袋のなかでも十分に生育でき、光の要求量も少なめなので多少葉が茂って折り重なっても育ちます。
なんと休耕地と遊休地で燃料用の芋を育てるとそれだけで日本全国の電気がまかなえてしまうようです。
畑が必要ないので都会のビルの屋上やちょっとした空きスペースがあれば栽培可能なのが素晴らしいです。
もちろんこれには芋を天日干しするならそれ用の土地が必要だったり、建物の加重限界値も考慮されていません。
なおかつ放任栽培でも雨風にさらされ勝手に大きくなるので、手間暇をかけずに収穫まで持っていけます。
Photo by 鈴木高広教授の近未来研究所
芋はエネルギーとしてはもちろん食料にもなるので、食糧危機にも強い仕組みだと言えるでしょう。
芋を収穫したら健康な芋のツルを再利用して土に挿しておけば何度も繰り返し収穫できます。
畑でウイルスが蔓延すると最悪すべて破棄することになりますが、袋やプランター栽培だとウイルスが伝染しにくいのも強味です。
鈴木高広教授は芋エネルギーを普及させることで地方の活性化・農業の復活・雇用の促進などが期待できると予測されています。
芋発電は非常に優れた方法ですが、既存エネルギーの利権で儲けている人からすれば邪魔なので、普及する前に潰されないか心配になります。
粗を探せばいくらでも見つかるのですが、発想としては面白く家庭で芋栽培する場合にも上手く応用すれば狭い敷地で芋をたらふく食べられるようになります。
芋エネルギーに関わらず地方の土地をエネルギー源にして活性化させる構想はよくあるので、このまま過疎化を進行させるよりは有効活用していく方が理想でしょう。
もし芋エネルギーが実用化されれば、全国各地でサツマイモやジャガイモ栽培される光景が見られるようになるかもしれません。
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