日本の抽水植物で小型ビオトープ向きの10種類

Photo by Show_ryu
家庭で簡易ビオトープを楽しむのに抽水植物は欠かせません。
水槽ではおもに沈水植物といわれる水草がメインですが、ビオトープだとさらに植物のバリエーションが増えます。
水槽でもテラリウムにすれば抽水植物も育てられますが、それなりに光量のある照明が必要になります。
それに比べ屋外では太陽光という植物に最も適した照明が無料で使い放題なのでお金がかかりません。
大型に成長する種類は現代の生活環境においては扱いにくいと感じることがあります。
そのためコンパクトなミニビオトープにも植えられる種類をいくつか紹介します。
目次
小型で扱いやすい日本の抽水植物10種類
ウリカワ
オモダカを小さくしたような見た目でオモダカに似た花を咲かせます。
後述するナガバオモダカの代用として植えるのも良さそうです。
デンジソウ
四つ葉のクローバーのような葉を展開し、何となく縁起の良さそうな雰囲気のするシダ植物です。
ヒメホタルイ
ツンツンした葉がビオトープで良いアクセントになり、かといって大きくなりすぎることもないので人気があります。
コナギ
田んぼの雑草とは思えないほど美しい花を咲かせます。
一年草なので販売時期が短く自然採集を狙ってみるのも良いかもしれません。
ミズキンバイ
高山植物の金梅 (きんばい)に似た黄色い花を咲かせ、縦にはあまり伸びず横に這う性質を持ちます。
私が育てているミズキンバイはよく食害に合うのできっと美味しい葉なのでしょう。
セリ
独特の香りで薬味として食用にもなるセリは湿った場所によく生えています。
自然採集する際にはドクゼリをセリと間違って採らないよう注意してください。
マツバイ (ヘアーグラス)
水槽で絨毯にしようとするとソイルに植えて二酸化炭素を添加して育てますが、抽水状態にして太陽光に当てると簡単に増やせます。
芝生が生い茂るような水景を作りたいならマツバイは外せないでしょう。
ハリイ
マツバイを大きくしたような見た目ですが、マツバイのように次々にランナーを出すことなくロゼット状に広がるので管理しやすいです。
キカシグサ
あまりに平凡な抽水植物なのでキカシグサの名で販売されていることはあまりないですが、アマニアsp.ボンサイがキカシグサであるという説が濃厚です。
キクモ (アンブリア)
在来種のキクモは細い繊細な葉を付けるので水草として販売されているアンブリアとは遺伝子が異なるようです。
抽水植物のメリット
水やりの必要がない
抽水植物はそもそも根が水に浸かっている状態で生育するので、こまめな水やりは不要です。
水分が蒸発することで水位が下がると足し水する必要はありますが、日本は雨の多い国なので、よほど雨の降らない日が続かない限りは雨水によって水位が自然回復します。
野生動物が集まってくる
水草は水中のなかで完結していますが、抽水植物は水上で葉を展開して花を咲かすので、花の蜜を吸いに小さな昆虫たちが集まってきます。
トンボが産卵すればヤゴが住み着き、やがて抽水植物をよじ登って羽化するので小さな生態系が作られます。
葉を食い荒らされることもありますが、それだけ昆虫たちの食料になったのだから大目に見ましょう。
珍しい抽水植物を間近で観察できる
園芸用の草花は庭や公園へ行けば普通に見かけますが、抽水植物をじっくり観察できる場所は限られています。
自分だけの小さなビオトープを持てば抽水植物の変化を一年を通して観察できるので得した気分になります。
季節を感じられる
水辺と陸地の狭間に生きる抽水植物は季節によって目まぐるしくその姿を変えるので見ていて飽きません。
特に水中で芽吹いてから水上展開するまでのエネルギーは相当なものだと思います。
冬に氷が張って完全に枯れた姿になっても根や種子が生き残り、春になると一斉に芽吹く様は圧巻です。
抽水植物のデメリット
ボウフラが湧く
浅い水辺を再現するので放って置くとどこからか蚊がやってきて卵を産み付けボウフラが誕生します。
ボウフラ対策としてはメダカなどの小魚を入れたり、ヤゴが住み着けば勝手に食べてくれることもあります。
容器が重くなる
水と土が入った容器はサイズにもよりますが結構な重さになるため、置き場所をよく考えなければなりません。
一度置いた場所から移動させるには水を抜かないと大変なので、置き場所で抽水植物の育ち具合が決まります。
水中に藻が生える
水中が富栄養化するとアオミドロなどの厄介な藻が生えてきます。
あまり繁茂しすぎると抽水植物の生育を阻害する可能性もあるので、手で藻を除去する通称テデトールが効果的です。
日本の抽水植物をオススメする理由
抽水植物は海外からも数多くの種類が日本に輸入されています。
しかし特定外来種に抽水植物や浮き草が多いように自然に流出すると悪影響を及ぼしやすい種類が多いです。
それだけ環境に適応した時の爆発力が凄まじいということでしょう。
強靭な抽水植物の一角であるナガバオモダカはメダカ飼育にもよく利用されていますが、耐寒性も高いため容易に帰化して各地に定着しています。
現在は栽培や販売を規制されていませんが、将来的に特定外来種に指定されると栽培が困難になります。
在来種および史前帰化植物であればそうした問題は起こらないので、安心して栽培することができます。
また長い年月をかけて日本の気候に適応しているので、暑さ寒さに強く手間のかからない種類がほとんどです。
メダカやタナゴなど日本産淡水魚 (日淡)との相性も抜群なので和風なビオトープに仕上がります。
まとめ
今回は10種類のみに絞りましたが、これ以外にもたくさんの抽水植物があります。
睡蓮鉢やトロ舟などで育てると野生に植わっているほど大きくならない場合が多いですが、狭いスペースで育てるなら大きくなりにくい種類を選ぶ方が後でトラブルが起きにくいです。
ビオトープを管理しているとちょっとした用水路や水溜まりが気になってつい観察したくなります。
覗いてみた水辺が外来種に占拠されていたりすると在来種が減少している事を実感します。
日本の水草を育てることは、昔ながらの水辺の風景を忘れないためにも価値のある行為だと思います。




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