バケツ稲の育て方 スーパーに売られている玄米を発芽させて米を収穫する

私たちが普段食べているお米のほとんどが白米ですが、それは胚芽 (はいが) という成長して芽になる部分が取り除かれたものなので、土に埋めて水をやっても決して発芽することはありません。
しかし玄米は例え籾殻 (もみがら) を剥がされた状態でも胚芽が残っているので、発芽して稲になりやがて稲穂をつけて次世代へと種をつなぐ力を持っています。
のりんごというYouTubeチャンネルではスーパーで購入できる様々な食材の種子や切れ端を育てて収穫するまでの過程が紹介されています。
海外でもこのようなジャンルの動画は人気があるので、身近なものに秘められた生命の神秘には人を引きつける力があるのでしょう。
よくご飯粒を一粒残さず食べるのがマナーとされていますが、その一粒から頭が垂れるほど実った稲穂が収穫できる可能性があることを考えると大切にいただく意識が高まります。
収穫後に袋詰めにされてスーパーの棚で食べられるのを待つだけだった玄米が運良く栽培用に選ばれて土に埋められます。
籾殻のない玄米はいわば服を剥ぎ取られた裸の状態なので、発芽しなかったり発芽しても環境に耐えられず腐ってしまうことが多いようです。
その一番苦しい時期を乗り越えた苗はバケツ稲として大切に管理されることになります。
バケツ稲くらいの規模であれば藻が茂っても簡単に除去できますし、ボウフラ対策にメダカを投入することで見栄えも良くなります。
バケツの中ですくすくと成長した稲は草丈1m以上になりやがて主穂して花を咲かせます。
順調にいけば秋には黄金色の稲穂を間近で見ることができるでしょう。
お米の値段が下がり水田が激減したことで稲穂を見る機会が少なくなりましたが、バケツ稲はそうした日本の季節の移ろいを肌で感じることができます。
年々気候変動が激しくなったり社会の変化によって四季を感じることが少なくなりましたが、自分で何か作物を育て収穫することで何となく過ぎ去っていた日常に彩りが加わるでしょう。
たった数粒の玄米からその何倍もの玄米が収穫できるので、太古の昔から稲作が日本人の生活を支えてきたことがわかります。
また玄米だけでなく籾殻や藁なども非常に利用価値が高い素材なので捨てるところがありません。
収穫した玄米を翌年に再び発芽させれば半永久的にバケツ稲を楽しめるでしょう。
籾殻付きの玄米をそのまま育てれば生存率も高まるでしょうし、より現地の環境に適応した苗が得られます。
現代人はいつしか遠く離れた地で育てられたお米をわざわざ栄養を除去する精米をして白米として食べるようになりました。
栄養価より見た目や味へシフトしていった結果、ご飯がただの炭水化物として存在しています。
本来は発芽するのに必要な栄養分をたっぷり含んだ食材なので、もし自分で育てた玄米を食べる機会があれば一粒一粒を大切に食べましょう。








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