AM放送が2028年までに廃止されFM放送へ一本化とアナログラジオの未来
コロナ禍になり家で過ごす時間が増えたことでラジオを聴く人が増えているようです。
作業中のBGMとして流すのに最適でテレビのように画面に釘付けにならずに済むので作業の邪魔になりにくいです。
テレビを垂れ流す人もいますが聴覚に特化したラジオの方がすんなりと耳に入ってきやすいです。
リスナー数が増加したものの民放はそれでも経営するのは大変で日本民間放送連盟 (民放連) が総務省に対してAM放送を廃止するための制度改正案を提出しました。
総務省もその要望を受け入れる形で具体的な検討が進めてられています。
インターネットに接続すればradikoで高音質なライブストリーミングを聴けますし、ワイドFMの登場でAM放送の存在意義が薄れていることはたしかです。
ただし災害用ラジオとしてはAM放送の特徴である遠くまで伝わり、広い範囲へ安定した放送を届けられる大きなメリットがあります。
しかしAM放送を送信するには馬鹿でかいアンテナを備えた大規模送信施設が必要で、人が背負えるほど小さなアンテナで十分なFM放送とでは維持費が格段に違います。
例え広範囲をカバーできてもアンテナ自体に障害が発生すれば一発アウトなので、長期的に見れば小さなFMアンテナや中継局を増やしていく方がリスク分散になりそうです。
AM放送はどうしてもノイズが入りやすいのでFM放送しか聴かない人も多いでしょう。
AM放送が遅くとも2028年までに廃止される予定で、それまでに試験的に狭い範囲で試験的に停波することもありそうです。
AM放送が廃止されることでアナログラジオを置いて昔ながらの雰囲気でラジオを楽しむ機会も減るでしょう。
デジタルチューニングして聞こえる音はクリアだけれど、それならradikoでも良いわけでアナログにはアナログの良さがあります。
またradikoはデジタル放送なので電波が圧縮されており、どうしても遅延が発生するのでスポーツ中継などリアルタイムが重視されるコンテンツには不向きです。
ワイドFMに対応していないラジオはほぼFMしか聴けなくなりますし、それこそAM専用ラジオは実用的ではなくなります。
古い型のラジオでも現行機種と遜色なく楽しめるのがラジオの良さですが、今後ワイドFMの有無によって足切りされてしまうのは残念でなりません。
何でもデジタル化が進むなかであえてアナログラジオを置き自分でチューニングしながら聴くラジオは、特に若年層にとって新鮮かもしれません。
今からアナログラジオを購入する際にデザイン優先でレトロな昔の中古ラジオを選ぶのも良いですが、AM放送の行く末を考えるとワイドFM対応の製品を選んだ方が無難です。
NHKはライフラインとしてAM放送を続けるでしょうが、山奥など電波を受信しにくい場所でかろうじてAMを聴いていた人にとってはバリエーションが減って寂しくなりそうです。
長年AMとFMが日本のラジオ文化を支えてきましたが、これからの10年でこの業界が激変すること必至です。
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