エアロゲル断熱材を使ったジャケットが次々に登場しダウンやプリマロフトを凌ぐ性能に期待が高まる


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これまで防寒対策用の断熱材としてダウンプリマロフトなどのアウターやジャケットが主流でしたが、近年エアロゲルを使った製品が続々と登場してきました。

エアロゲルは1931年に発明されたので特に目新しいものではありませんが、非常に脆い物質のため実用化されることはありませんでした。

99.8%が空気とされ最も軽い固体として抜群の軽量性と断熱性を備えています。

近年では強度を高めたエアロゲルが開発されたり、服の素材にも使われ始めてようやく表舞台で脚光を浴びるようになってきました。

透明な断熱材として自動車や家の窓に使われるようになればエネルギー効率が飛躍的に上がるでしょう。

服の素材として考えてもわずか数ミリの層でも驚異の断熱性を誇るので、ダウンやプリマロフトのような分厚い断熱層にたっぷりと空気を溜め込む仕組みとは別次元の防寒着が作れそうです。

NASAの宇宙服にも採用されており昔の分厚くて重い宇宙服のイメージから、軽量化されて動きやすいデザインになったのもエアロゲルのおかげです。

民生品としてはパタゴニアやノースフェイスなどのアウトドアブランドがいち早く新製品を開発し注目されています。

パタゴニアは惜しまれつつも2016年に生産終了したDASパーカをエアロゾルを取り入れた新たな素材を使い4年ぶりに復活させました。

プロユースに振り切り従来品よりも20%の軽量化に成功し、速乾性にも優れる製品を生み出したのは企業努力の賜物でしょう。


PATAGONIA パタゴニア ダスパーカ DAS PARKA

ノースフェイスやエルエルビーン等も繊維にエアロゾルが練り込まれた最新のプリマロフトを使ったジャケットをこぞって販売しています。

エアロゾルによって繊維の内部にも空気を溜め込むことで断熱性能をよりアップしています。

従来のプリマロフトではダウンに比べて重くなるのが欠点でしたが、エアロゾルによってその欠点が解消されました。

なにせエアロゾルより軽い固体が存在しないのだから軽くなるのは当然で、エアロゾルもプリマロフトに練り込まれることで耐久性が上がり相互に補完し合っています。

これだけテクノロジーが進歩してもダウンやウールやコットンの完全上位互換は発明されておらず、改めて天然素材の偉大さを感じます。

総合的に優れているプリマロフトでもダウンを駆逐するほどの性能はなく、目的に応じて使い分けることで共存している状態です。

エアロゾルはまるで空気を個体化したような圧倒的な性能なので、今後さらに改良されていけば天然素材を追い越す日が来るかもしれません。

未来の科学者たちへ #13 「エアロゲル断熱材」