ホリエモンのツイートから過熱したヴィーガンと肉食の対立は宗教戦争と似ている

2020年5月8日

先日ホリエモンこと堀江貴文さんのツイートから加熱したヴィーガンと肉食についての論争について分析します。

ホリエモンは口が悪いというかオブラートに包まず自分の主張を発言するのでよく炎上します。

今回もヴィーガン相手に『潰す』という過激な表現を使ったため案の定ヴィーガンの人たちから反感を買っています。

菜食と肉食 (雑食)どちらが健康に良いのかという詳細なデータは乏しく結論を出すのは難しいです。

牛肉消費量No.1のアメリカ、そして豚肉消費量No.1のオーストラリアどちらの国も平均寿命が極端に低いわけではありません。

日本は欧米に比べて肉の消費量が少なく、どちらかといえばベジタリアン寄りなお国柄です。

周囲を海に囲まれた島国なので魚介類も食べます。温暖湿潤な気候なので新鮮な野菜も豊富に取れます。

意識せずともバランスの良い食事ができる恵まれた国と言えるでしょう。

オーストラリアは約10人に1人がベジタリアンなので、日本よりも社会的な認知度が高いです。

ベジタリアンレストランやスーパーにもヴィーガン向けの商品が充実しているので菜食でも生活しやすい環境が整っています。

それぞれが平和に共存できる社会であれば何も問題はありませんが、ホリエモンは全米ラ○フル協会のようなトンデモ理論を振りかざす強硬派が現れるのを恐れているのでしょう。

動物愛護も海外では日本と比べ物にならないほど厳しく規制され、食材になる動物に対してもなるべく苦痛を与えないよう配慮する必要があります。

極端な思想を持つ人間が権力を持ってしまうと毒をもって毒を制すような政策を推し進めてしまうので異常な社会になります。

ヴィーガンへ移行することで健康になるというアプローチは、菜食主義者で多大な影響力を持つ偉人マハトマ・ガンディーが真っ向から否定しているので安易に行うべきではないでしょう。

「健康上の理由から菜食を実践することは、一番ひどい方法です。病苦など、つまり単純に健康上の理由から菜食主義を実践する人はたいてい失敗することにわたしは気づきました。菜食主義を貫くには、倫理的な原理が必要なのです。」
by マハトマ・ガンディー
ヴィーガニズム – Wikipedia

菜食は肉食以上に繊細な栄養管理が求められるので、特に初期段階で体が十分に適応していない状態で無理に実践すると体を壊します。

何年もヴィーガンを続けて問題ない人・一時は体内が浄化され調子よかったが徐々に栄養失調になり止めてしまう人・すぐに具合が悪くなり肉食に戻る人など人それぞれです。

人間の適応力というのは未知数でタロイモだけを食べ、筋骨隆々で極めて健康な体を維持する部族が存在します。

腸内細菌が体に必要なタンパク質などを生成するためタロイモだけで問題なく、逆に肉を食べるとお腹を壊したり死に至る危険もあるそうです。

もし将来的に腸内細菌をコントロールする技術が確立すれば動物性タンパク質を摂取せずとも体内で生成できるようになるかもしれません。 (便微生物移植で可能か?)

ヴィーガンの持つ独特の気持ち悪さは何なのだろうと考えると、おそらくキリスト教にもカトリックやプロテスタントといった派閥というか宗派があるようにヴィーガンにも主張の異なる宗派があるように感じました。

いずれも信教の自由であり、あくまで個人のライフスタイルであれば否定されるべきものではありません。

ヴィーガン認知度の低い日本では真っ当な宗派と新興宗教が入り乱れているような状態で、肉食肯定派との論争はまるで宗教戦争のような形相です。

私はヴィーガンにそれほど否定的ではなく、人類の行く末を考えた上で食糧問題に焦点を当てるとヴィーガンは合理的で受け入れやすいのですが、そこに動物愛護や健康目的などが絡んでくると疑問符が増えていきます。

それはきっとガンディーの言うような倫理的な原理が欠如した上辺だけのヴィーガン実践者が増えているからでしょう。 (もしくは原理主義ではない新しい何か)

たしかにアニマルライツ (動物の権利)のような主張を含む宗派もありますが、そこまでいくと動物由来の製品や動物実験が行われたものすべて使えないのでかなり生活が制限されます。

それでも顔ダニや常在菌を守るために体洗いませんや家ダニを守るために部屋を掃除しませんという人はいないでしょうから、生きることはどうしても他の生命の犠牲の上に成り立っています。

犬猫のような愛玩動物は手厚く保護するけどそれ以外の動物には見向きもしないようなエセ動物愛護が一番厄介であり、ヴィーガンのなかにも一部そのような思想を持つ者が紛れ込んでいます。

人類が今後も歯止め無く増殖した時に究極の解決策はヴィーガンかなとは思いますが、家畜はいなくなったらいなくなったで畑の肥料には家畜の糞が使われているので現代農業は維持できません。

ヴィーガン的には家畜の糞で育った野菜はセーフなのでしょうか?

ミドリムシ (ユーグレナ)は単細胞生物ですが藻の扱いでヴィーガンにもぎりぎりセーフなどもうわけわかりません。

動物はあらゆる面で社会と密接に関わっているので、完全に切り離すことは非常に困難です。

どこかの土地にまったく動物を介さないヴィーガン小国を作り、そこで社会実験してみたい気もします。

日本はいかなる宗教にも寛容で、無宗教であることの自由も尊重されています。

今は菜食と肉食の関係もお互い理解した上で共存させるのが一番平和的な解決ではないでしょうか (ホリエモン的にはNG)まだまだ両者の認識不足が強い印象。

私自身は当分バランスの良い雑食で行かせていただきます(笑)