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なぜ農作物の価格は上がらないのか? 現代資本主義における価値の本質

【衝撃】なぜ農作物価格は上がらないのか。日本経済の「闇」

この動画では、農作物の価格がなかなか上がらない理由について、現代の資本主義における「価値」という概念を掘り下げて解説しています。

経済の視点から農作物の価格について深く掘り下げ、現代社会における消費行動の本質を示唆する内容となっています。

農作物の価格が安い理由

農作物は私たちにとって非常に重要なものですが、その価格は必ずしも高くありません。これは、現代の資本主義、特に「後期資本主義」の原理に基づいています。

社会的に重要な仕事である介護士や保育士の給料が低いことと同様に、大切で重要なものが必ずしも高い値段で取引されるわけではないのです。日本では食料が不足しているわけではなく、むしろ余っているため、実用的な価値に対する価格が上がりにくい状況です。

記号消費の時代

社会が豊かになるにつれて、人々は必需品だけでなく、「記号」を消費するようになりました。1980年代頃から、人々はモノそのものではなく、モノに付随するイメージや物語にお金を払うようになったと言われています。

かつては実用的な価値が高かったベッドや冷蔵庫なども、普及が進むにつれて記号的な価値が重要になりました。自動車のCMが、車の機能ではなく、家族のキャンプの様子など、ライフスタイルを想起させる映像になったのは、記号消費の典型的な例です。

農作物における実用価値と記号価値

農作物の価格の大部分は、そのもの自体の実用的な価値ではなく、記号的な価値によって決まります。農作物は、そのもの自体の価値だけを販売しているため、価格が上がりにくいのです。

人口増加が止まった現代においては、食料の実用的な価値は大きく伸びることはありません。農作物の価値を上げるためには、健康志向やオーガニックといった要素を付加するなど、記号的な価値を高める必要があるのです。

記号価値を付加することの難しさ

実際に農作物を生産している人々(エッセンシャルワーカー)にとって、記号価値を理解し、付加することは難しい場合があります。農家は、どうしても農作物そのものの価値に目を向けがちです。

記号価値に成功した例:フルーツ

野菜や米に比べて必需品ではないフルーツは、贈答用としての価値やブランドイメージなど、記号的な価値を付加することに成功し、高価格で取引されています。

かつて価格が低迷していたみかんが、現在高価格で取引されるようになったのは、記号価値が向上したためです。シャインマスカットのような新しい品種の開発も、記号価値を高める要因となっています。

ビジネスにおける記号価値の重要性

ビジネスにおいては、「付加価値」や「ベネフィット」といった言葉で、記号的な価値が重要視されています。労働や仕事は付加価値を生み出す行為であり、現代の資本主義においては、その価値に占める実用価値の割合が低下しています。

農水省の役割

農林水産省は、農作物の価格を低く安定させ、国民に食料を安定供給することを目的としているため、価格上昇を抑制する力が働きます。

6次産業化と記号価値

農家が生産(1次産業)、加工(2次産業)、販売(3次産業)までを手がける6次産業化は、農作物に記号価値を付加する試みの一つです。しかし、必ずしもうまくいくとは限らず、生産者の視点(プロダクトアウト)ではなく、消費者のニーズ(マーケットイン)に基づいた発想が重要です。

大企業の農業参入の失敗例

農業に参入する大企業が、農作物の生産技術やノウハウといった実用的な価値を軽視し、記号価値だけで成功しようとするケースが多いですが、多くは失敗に終わります。一定の生産能力と品質があってこそ、記号価値を付加することが重要になります。

まとめ

農作物の価格が上がらないのは、現代社会がモノそのものの実用価値だけでなく、それに付随する記号的な価値を重視するようになったためです。農家が価格を上げるためには、品質を維持しつつ、消費者に響くような記号価値を付加していく必要があります。

農業

Posted by Coro