テンダーの電気・ガス・水道料金ゼロの暮らしは時代を先取りする生き方なのか?
公共の電気・ガス・水道という生活に必要なライフラインに一切契約することなく暮らしている人がいます。
テンダーこと小崎悠太さんがその一人で、鹿児島県・長谷集落にある築40年以上で家賃年一万の古民家に暮らしています。
テンダーというあだ名は昔バーテンダーの仕事をしていたからだそうです。
オフグリッドな生活のベースとして低支出・低収入・低負荷の家ということで"てー庵“と名付けました。
水道は近くの湧き水から配管パイプを引いて生活用水として利用しています。
たまに配管パイプが詰まったりして水が出なくなったりもしますが、水道代を払ってない分そうしたメンテナンスは自分で行うものと割り切っているので、特に不便には感じないそうです。
昔から自然に囲まれた土地で暮らしてきたのかと思いきや、実家は横浜で小さい頃は虫も触れないほどの都会っ子でした。
しかし学生時代に世界各地を巡る旅へ出たことをきっかけに自分の暮らしを見直そうと思い、アメリカの先住民族技術の学校で、火起こし・水の濾過・動物の解体など自力で生き抜く術を学びました。
道路に侵入して轢かれてしまった穴熊やイノシシなどを持ち帰り、捌いた肉を食べることもあります。
穴熊ってどんな味がするのか気になりますが、人間が起こした事故による動物の死を無駄にしないことが一番の供養になるのかなと思います。
家を拡張してバイオトイレを自作すれば、畑の肥料になるし水を使わないので経済的ですが、下水道が通っている地域では設置できない法律があります。
辺境の地で暮らすことで無いものは自分の手で作り出すという思考が自然と身に付いてくるのでしょう。
独身かと思いきやシングルマザーと結婚して子供がおり、不便だけれど満ち足りた生活を満喫しています。
両親は横浜に住んでおり年に一度は帰省するそうですが、なんと父親は原子炉の設計に携わる技術者でした。
当然ながら親子で電力エネルギーに対する考え方が真逆なので、話し合ってもいつも平行線をたどります。
もし父親が原発を批判すればこれまでの人生を全否定することになるのでしょうがないかと思いますが、テンダーさんは六ヶ所村を自分の目で確かめたいと1年間住み込んだ経験があります。
そしてチェルノブイリや福島の被害も踏まえたうえで、父親から教わったエネルギーの考え方からは大きく離れていきました。
都会暮らしで原発エネルギーと身近に接してきた分だけ、その反動が今の暮らしに繋がっているのかもしれません。
反原発を訴えている人たちも原発の恩恵を受けており、そうした人たちこそが一度テンダーさんのような生活を体験すると価値観が変わるかもしれません。
テンダーさんは自ら原発依存を断ち切り身を持って新たなライフスタイルを模索しているので、少なくとも口ばかり達者な論客とは次元が違う気がします。
テンダーさんも公道やネットインフラを利用しており、ただ単に社会から孤立した生き方では意味がないと地域住民とも積極的に関わる姿勢を示しています。
またネット接続したパソコンで広告デザインを制作したり、無人島でサバイバル体験するガイドや太陽光パネルを作る講習などで生計を立てています。
現状の社会システムがいずれ立ち行かなくなる事は確実なので、テンダーさんのような思考の持ち主は時代の1歩2歩先を進んでいるのかもしれません。
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