余り食材を干して乾物にすると長期保存でき栄養価もアップする
Photo by Marco Verch
寒い季節は買い物へ行くのが億劫になり、一度の買い物でついつい食材を買いすぎて余ってしまうことがあります。
人間の活動は鈍りますが気温が低くて乾燥する季節は乾物作りに適しています。
乾物作りは食材を日光や風に晒して腐敗する前に水分を飛ばして細菌やカビの増殖を抑える極めてシンプルな方法です。
そのため乾物作りの歴史は古く紀元前1万2000年頃から行われていた形跡があります。
目次
自分で乾物作りするメリット
余り食材を長期保存できる
食べきれずに余った食材はそのまま置いておくと腐ってしまいゴミになりますが、乾物にすることで長期間おいしさをキープできます。
今のように冷蔵庫や冷凍庫のなかった時代には干すことで食材を日持ちさせるのが一般的でした。
栄養価やうま味成分がアップする
食材を干すと時間が経ち鮮度が落ちて美味しくなくなるような印象を受けますが、乾物にすることで旨味が凝縮し栄養価もアップすることがわかっています。
和食には欠かせない出汁を取るための煮干し・かつお節・昆布・干し椎茸などはどれも乾物であり、それだけ旨味成分が詰まっている証拠です。
常温保存できる
冷凍保存の技術が発達し乾物のような手間を掛けなくても短時間で保存できるようになりましたが、電力に頼っているので電気が途絶えるとたちまち腐敗が進行します。
その点乾物は常温保存にも耐えるので非常時には冷凍食品より頼りになる存在です。
何でも冷蔵庫に保管するのではなく乾物もバランスよく取り入れることで、いざという時の非常食としても役立ちます。
作るのが簡単
基本的には食材を乾燥しやすいように薄く切って干し網に入れて乾かすだけなので特別な技術は必要ありません。
高温多湿な環境でなければそれほど失敗するリスクを考えなくてよいです。
もし失敗したとしても余ってどうしようもない食材であれば諦めもつきます。
何度も乾物作りを経験して感覚をつかめば、あえて乾物にしたい食材を買うようになるかもしれません。
セミドライ (半生)や一夜干しでもたしかな違いを感じられる
完全に水分を飛ばすとそれだけ保存できる期間を伸ばすことができますが、もっと手軽に乾物を楽しみたいなら数時間ほど干しておくだけでも違いが出ます。
トマトなど水分の多い食材を完全に乾燥させるのは時間がかかりますが、セミドライであればオーブンやレンジで加熱するだけで作れます。
半生なのでそのままでは日持ちしませんが、オイル漬けにすれば旨味調味料としてトマトが長持ちします。
市販されてものは意外と値段が高かったりするので家庭で作る方がお得感があります。
夏場は乾物作りには適さないので魚介類なら冷蔵庫で一夜干しするなど工夫が必要です。
Photo by Chris Dickey
自分で乾物作りするデメリット
失敗する可能性がある
あまり乾物作りに適していない時期に干そうとしたり、下処理が甘いと食材が腐ったり表面にカビが生えて失敗します。
一番大切なのは風通しがよく空気が循環していることで、できるだけ素早く水分を飛ばすのが成功の秘訣でしょう。
塩分を摂りすぎる
干物がおいしいからとたくさん食べると塩分過多な食生活になりがちなので、塩抜きしたり食べる量を減らして塩分を調整してください。
動物性の食材はどうしても痛みやすいので、塩で身から水分を出やすくし殺菌してやる必要があります。
多少手間がかかる
出来合いの乾物を買って食べるよりは手間がかかりますが、作るプロセスを楽しめるならデメリットにはなりません。
また自分の好みによって乾物にしたい食材を選べるので、市販ではまず売られていないような食材まで乾物にすることができます。
まとめ
干し野菜やドライフルーツであれば部屋干しでもそれほど臭いが気にならないし、失敗するリスクも低いのでおすすめです。
天日干しが一番なのは当然ですが、干し網やザルがあれば足の早い野菜や果物を除けば何でも干して試したくなります。
昔ながらの知恵をうまく生活の中に取り入れて食のバリエーションを豊かにしましょう。
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