選択肢の多さが脳を疲弊させ、無意識に満足感まで削ぎ落としている

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【TED】バリー・シュワルツ氏が語る、選択のパラドックスについて

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選択の爆発

スーパーや家電量販店のくだりは1ヶ所で膨大な数の商品とその組み合わせの中からベストな選択を選び出すことの難しさ、医者のくだりは選択肢は与えるけれど決定権は消費者に委ねることがかえって重荷になることを説明しています。

選択肢は豊富にあるけれどそれを選ぶ過程で疲れてしまい、ベストな選択が出来たとしてももっと優れた選択があるのではないかという意識が生まれ、結果的に満足感が低下してしまう現象が起こります。

人生の選択

昔は結婚や子作りに今ほど自由が無く半強制的にお見合いや子作りに関してもまわりから圧力をかけられました。今ではそういった人生の重要な選択も自由にはなりましたが、自分の意志で決めていかねばなりません。

晩婚化が進み必ずしも結婚して家庭を持つ人ばかりではなくなってきました。学生時代から将来の結婚や子供・キャリアを優先すべきかなど常に選択の連続です。

仕事に関しても子供がサッカーの試合をしている時に、仕事用のモバイル端末を持ち込み例え応答しなかったとしても何も持ち込まない場合と比べ、子供と向き合った経験は違ったものになってしまう恐れがあります。

あまりにも多くの選択肢を前にすると、 人は選択が非常に難しくなってしまいます

ある投資信託会社の投資信託が10件増えるごとに参加率が2%も下がる結果が出たそうです。選択肢が増えれば増えるほど人間の脳は思考停止状態に陥り、その分損をしていることが多いようです。

あまりに多くの選択肢は自分の決断に自信が持てなくなり、それが後悔という感情に表れ満足感を蝕んでいきます。1つだけ選ぶことはその他多くを選択しなかったということ。それが知らず知らずのうちに不満の種になってしまうのです。

ジーパンのくだり

私はいろいろのジーパンを1時間にも渡り試着して 正直に言うと今までで最高にフィットしたジーパンを手に入れてお店を後にしました これらの多くの選択肢が、私が最高のものを選ぶ事を可能にしてくれました でも気分は最悪でした

ジーパンを買い換えに出かけ服屋の店員にこのサイズのジーパンはないか?と聞いたらサイズ意外にも材質や加工の仕方まで事細かに聞き返され、結果としてこれまで履いていたジーンズよりも優れたジーンズが手に入ったが、その選択に至るまでに疲れ果ててしまったという話です。

そもそもジーパンなんてサイズさえ合っていればそれ以上を期待してはいませんでした。しかし店員が期待に応えるため豊富な選択肢を提供しました。この期待値のギャップにより消費者が疲弊することはあまり認知されていません。

豊かな国と発展途上国の人たちの違いはこの圧倒的な期待値の差が生まれていることです。ジーパンで例えると取りあえずサイズのあったジーパンが履ければそれで満足なのです。

期待値を上昇させるようなマーケティング手法で山ほど選択肢があり、その中から消費者が選んだものは満足感に乏しい傾向にあり、それがさらなる消費と期待値以上の欲求を生み出す原因でしょう。

選択肢が多すぎる悪影響を考えてきましたが、選択肢が少なすぎるのもよくありません。豊かな国から貧しい国へと選択肢の移動がされると富の無駄が削られ貧しい国の生活の向上に繋がります。

富を失うのではないかという不安ではなく、選択肢が絞られて精神的な豊かさが手に入ります。いかに脳を疲弊しながら生活していたかその時わかるでしょう。