出羽島プロジェクト お金のいらない島(国)でギフト経済は実現するのか?

公開日: 最終更新日:2017/05/29 [ 約5分で読めます ] シンプルライフ

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Photo by とくしまグリーン・ツーリズム

お金が支配する社会からの脱却

現代社会ではお金がないと生活することすらままなりません。それ故にお金を稼ぐことが生活の中でも大きな比重を占め、時に息苦しさを感じるほどです。

この息苦しさから解放されるために生活費を抑えたり、物を減らして生活に必要なものを見極めるという事が注目され始めました。

ローコスト・断捨離・シンプルライフ・ミニマリストなども大きな枠組みでは、そうした大きな流れのなかで生まれてきた風潮だと思います。

病的なまでの資産家や権力者の私利私欲にいつまでも付き合っている余裕はありません。お金で無限の富が手に入ることはなく資源は有限なのです。

出羽島プロジェクト

少子高齢化や東京一極集中などにより地方の過疎化が進んでいます。

徳島県の出羽島(てばじま)という小さな島の空き家を改修して、地域再生に利用しようという取り組みが『出羽島プロジェクト』です。

徳島や関西在住の大学生らが設立したNPO法人ひとつむぎが中心となり、地域住民や行政とも連携しながら新しい町作りのために注力しています。

地元の未来を担う若者たちがこうして地域活性化のために奮起する姿は、他の地域でも同じように協力して何かやろうという良い影響を与えるであろうと期待しています。

お金のいらない島(国)

新井由己さんという方がふと思いついた『30世帯の小さな国』というアイデアがあります。

グローバル化はもう時代遅れです。これからは競争社会から共生社会へ。そもそも「仕事」は社会のため、だれかが喜んでくれるためにするものだったのに、お金を得ることが目的になり、自分の生活の手段になってしまった。本来の意味が逆転してしまっているので、自分さえよければ、バレなければという発想になるのです。
30世帯の小さな国

そのアイデアを再考したものが『お金のいらない島(国)』という取り組みで実際に出羽島でそれを実現させようとしています。

仕事やお金が無くても健康に人間らしい暮らしが出来るように、食べ物はなるべく島で自給しつつ自分の得意分野を活かして現金収入を獲得するという生活スタイル。

家賃やローンを払うために多くの時間を消費して働いているのであれば、そこからまず脱却して住むところと食べ物に困らなければ本当にやりたい事ができるから、それを皆に還元しようというアイデアは面白いと思います。

よくよく考えて見れば、自然界そのものが「贈与」で成り立っていることに気づく。太陽は何の見返りも求めずに光を注ぎ続けるし、海水浴をするのに海は入場料を徴収しないし、空気を吸うための許可を得る必要はなく、川の水を飲むのに一定の月額使用料金を払う必要もない。自然の摂理は(等価交換ではない)贈与交換の原理で成り立っていて、すべてが循環するように上手いこと出来ている。
いばや通信

プラウト主義経済

資本主義は今や貧富の格差が拡大し大問題になっています。共産主義にしても中央集権により権力者がパワーを持ちすぎ、上が腐れば下がすべて腐るのも時間の問題です。

先進国だけでイス取りゲームをしてそれでも格差が大変なのに、グローバル化によってゲームに参加できる人は増えてもイスが増えるわけではありません。

お金に支配されている限りこのイス取りゲームが延々と続くのです。一見すると平等なイス取りゲームも権力者が優先的に座れるようなルールを作りだし、ますます権力のない者はイスに座わることが困難になります。

日本国憲法では生存権が定められているので、人間が人間らしく生きる権利は誰にでもあります。

しかしお金のないと生きていけないという社会の仕組みを作り上げてきた矛盾のなかで自ら命を絶ったり、人間らしい生活を送れず路頭に迷う人たちが大勢います。

世界的に見ても健康でちゃんと読み書きができて一般常識があるのに、まともな生活を送れていない人が溢れているのは異常なことで改善が求められています。

そこで注目されているのがプラウト主義経済でインドの哲学者・社会改革者のP.R.サーカーによって生み出された既存経済に対する代案です。

宇宙の富のすべてが生きとし生けるものの共有財産であるとするならば、ある者が贅沢にふけり、ある者が食べるに事欠いて徐々に衰弱し餓死していくというようなシステムをどうして正当化できるであろうか。
P.R.サーカー

簡単に説明すると皆がそれぞれ社会に役立つことをして、経験した知識や余り物をギフトとしてシェアすることで成り立つ仕組みを作ろうということです。

ただ理想論や頭がお花畑な絵空事に過ぎないという批判もあるでしょうが、現状のシステムがいつまでも続かないことは明らかで、人類が次のステージへ行くための解決策として避けては通れない問題だと思います。

まとめ

お裾分けという習慣はひと昔前の日本では普通に行われていました。見返りを期待しない一方的な贈与なのでそこに損得勘定は生まれません。

むしろ自分だけでは食べきれず腐らせてしまうのなら、無償で分け与えた方が合理的です。お金を介すとどうしても損得勘定で判断してしまうので歪んだ関係になりやすいです。

今でも地方の農村部などでは食べ物だけでなく、他人の世話や物々交換が行われているでしょう。どうしようもない時に頼れる場所があるというのは精神的な安心にも繋がります。

誰にでも人様の役に立つスキルギフトを分け与える力があるはずなので、そうした能力を集結させれば慎ましく食べて暮らすことは十分に可能ではないかと思います。まずは出羽島がその一歩を踏み出そうとしています。

上勝町はゴミの資源化率80%以上の世界が注目するリサイクルタウン

ゴミ処理を焼却よりも燃やさず減らすZero Waste (ゼロ・ウェイスト) という考え方


資本主義を超えて―新時代を拓く進歩的活用理論(プラウト)

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