世界のミニマリスト Steve Jobs (スティーブ・ジョブズ)

2017年9月15日

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Photo by WIRED

ブランディングで世界を変えた男

日本でも有名なスティーブ・ジョブズは亡くなってからより神格化され一時期もてはやされることも多かったです。彼の功績についてわざわざこの記事で事細かに書くようなことはしません。

ただひとつ言えるのは彼が洗練された製品を作り上げ、さらにApple代表として自らの圧倒的なブランディングにより自社製品を世界中で大ヒットさせた人物だということです。

Apple製品の使いやすさやシンプルなデザインの根源はジョブズが持つ禅の精神が宿っていたからでしょう。彼の禅に基づく独自のフィルターを通した製品だけしか世に送り出しませんでした。

フィルターに引っかかるものは容赦なく指摘し、納得のいく製品になるまで何度も作り直させました。鬼のようなストイックさで削ぎ落とすところが無くなるまで徹底して製品と向き合うことで他社との差別化を図りました。正確には他社などほとんど眼中にはなかったのです。

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Photo by MakeSpace

必要なものは全てそろっている綺麗なランプと素晴らしい音楽プレイヤーそれにコーヒー幸せになるためにこれ以上なにがいるかな
by Steve Jobs

禅の持つシンプルさの追求

ジョブズはもともと禅に関心があり、禅センターにも度々訪れていました。ある日禅僧に悟りが開けたと証拠にICチップを見せました。しかし禅僧はそれはたしかにすばらしいものだが、悟りの証拠にならないと答えました。

これをきっかけに親交を深めた禅僧の乙川弘文さん(アメリカで活動した曹洞宗の僧侶)が悟りを開くには禅の精神であるシンプルであることが大事だという教えをジョブズに説いたそうです。

この真剣に禅と向き合うことこそ、ジョブズが生涯に渡って追い求めたシンプルさとその先にある悟りに通ずる要因だと思います。もっとバリバリの西洋文化によって生み出された製品だと思っていたのでちょっと意外です。

若い頃の写真を見ても余計なモノは持たず、禅に関心があるからといって部屋に和風なものがあるかといえばそうでもなく、純粋に禅に対して心だけで向き合っていたことがわかります。

Apple製品には東洋美術的な余白を活かしたり、引き算して作り出す美しさが備わっていると思います。癌によって命は絶たれてしまいましたが、その魂は少しでも悟りの境地へ近づけたでしょうか。


禅と林檎 スティーブ・ジョブズという生き方