一汁一菜 和食の出汁を摂取しミネラル不足を補うことから現代人の食生活を見直す


一汁一菜というとお寺の僧侶が修行中に食べる精進料理などの粗末な食事を連想しますが、この日本古来より食べられてきた和食の基本こそが現代人にとっても適した食事ではないかと見直されています。

現代は食料が簡単に手に入る飽食の時代になりましたが、実は栄養失調の人が多く戦後すぐの食糧難のころよりも栄養バランスが崩れているそうです。

なかでも一番深刻なのがビタミンやミネラルといった野菜や果物などから摂取する栄養素が不足しがちです。

カロリーオフや減塩といったわかりやすいキーワードは良く目にしますが、ビタミンやミネラル不足はすぐに体に変化が起こるわけではないので軽視されています。

老舗昆布店元店主である土居成吉さんは炭水化物や脂質がガソリンであるならばビタミンやミネラルはエンジンオイルだと表現されています。

ガス欠だと車は動きませんが、エンジンオイルが多少減っても車は動きます。

無理して動かすと徐々にダメージが蓄積していき、ある日突然重大なトラブルを引き起こす恐ろしさがあります。

大阪府の和泉市医師会創立50周年記念事業として制作されたドキュメンタリー映像では、土居成吉さんが関西各地の家庭に訪れて出汁の利いた手料理を振る舞いながら食生活の大切さを伝えています。

1時間ほどの長さですが綺麗な映像と落ち着いた雰囲気の編集でつい見入ってしまいます。


家庭で作る一汁一菜は精進料理とは違い主食のご飯やパンとしっかりと出汁の入った味噌汁が基本で、あとはおかずとして好きな料理をもう一品加えれば完成です。

一見すると物足りなさを感じますが、味噌汁の役割がただの汁物としてではなく、具だくさんなご馳走として仕上げるので食べ応えがあります。

忙しい現代社会に生きる主婦または主夫たちが毎日考える献立もこの一汁一菜を意識することで負担を減らすことが出来ます。

一汁一菜は決して料理を手抜きすることではなく、味噌汁とおかず一品を丁寧に作れば満腹感が得られて栄養バランスの整った食事になるということです。

和食に使う出汁だからといって洋食がNGというわけでもなく、トマトベースのスープに昆布だしを合わせたり、そもそもトマトからも出汁が出るので完全な野菜スープでも良いのではないでしょうか。

料理の品数に頭を悩ませるくらいなら肩肘張らずにまずは基本となる味噌汁をしっかりと作ろうという取り組みです。

こちらも名字がドイでややこしいですが、料理研究家の土井善晴さんも一汁一菜の食生活を薦めています。

現代人の抱えるお金や時間の制約、そして栄養バランスの問題などすべて引っくるめて一番無理のないスタイルが一汁一菜ではないかと思います。

この最低限であり最適な食事すら取れないと将来何かしらのしっぺ返しを食らいそうなので、日々の食事にはなるべく気をつけましょう。


一汁一菜でよいという提案