セヴァン・カリス=スズキ 1992年 リオデジャネイロ環境サミットにおける伝説のスピーチ


1992年にリオデジャネイロで開催された環境サミットの壇上で当時12歳だったセヴァン・カリス=スズキさんが行った伝説のスピーチから今年で四半世紀が過ぎようとしています。

日系4世のカナダ人少女だった彼女も今では2児の母になりましたが、現在も様々な環境活動を行いながら次世代へ自然豊かな地球を受け継げるような取り組みをされています。

四半世紀の間に少女から大人になり世界は良い方向へ進展したかと言われると、環境問題に関してはいまだ歯止めが効かない状態で、世界人口も爆発的に増えるばかりで地球の環境負荷は上昇しています。

短期的な利益や快適性を求めて一度動かしてしまった工業化の歯車は、世界全体で意思決定して改善しない限りは壊れるまで止められない構造になっているようです。

マハトマ・ガンディーはイギリスが植民地化したインドでチャルカ(糸車)を使い自らの手で糸を紡ぎ、工業化によってもたらされた服を脱ぎ捨てカディー(手織り布)で作った衣装に身を包みました。

『非暴力・不服従』によって相手に暴力で抵抗することなく、工業化にNOを突きつけたのは歴史上始めてではないでしょうか。

結局ガンディーは暗殺され間逆な思想を掲げる政権が方向転換して現代のインドがあるわけですが、カースト制度がいまだ社会に深く根付いているため想像を絶する貧富の格差が生まれています。

もしガンディーが活動し続けていたらインドだけでなく、新たな社会構造として現代に活かされていたかもしれません。

セヴァンさんのスピーチは子供ながらに大人たちへの警告を発してはいるものの明確な解決案を提示してはおらず、ガンディーの主張するような伝統的な生活へ回帰することに持続可能な社会へのヒントが隠されていそうです。

アマゾンのジャングル奥地に住む部族やネイティブ・アメリカンのような何千年・何万年と定住している人々がいる一方で砂漠地帯で栄えた四大文明はすべて滅んでしまいました。

国家の利益や私利私欲を求める人間たちが支配すると自然破壊やそれに伴う天災が引き起こされ、社会が崩壊することを避けられないのは歴史が物語っています。

自然に敬意を払い自然と寄り添いながら生きる人々は永続的に自然の恩恵を受けながら暮らせるので、そうした場所では大きな文明は起こりにくいと言われています。

自然の中で暮らす人々の方が高度な技術を持つ我々よりも先進的な暮らしをしているというのは何とも皮肉な話です。

アメリカファースト・日本ファースト・都民ファーストなどという言葉が目立つ昨今ですが、それ以外は知るものかという排他的な意味合いが込められているように感じます。

この人間の傲慢さが無くならない限りはいずれ文明だけでなく人類そのものが滅ぶ気がしてなりません。

少人数で小規模に暮らす・地産地消・昔の農村のような暮らし方が人にも自然にも優しい環境なのでしょう。

農村には村八分のような陰湿な面もありますが、ITを駆使して情報共有すればもう少し開放的で暮らしやすい場所が作れそうな気がします。

日本は山ばかりで平地が少ないと言われていますが、実は山と平地の境目にある里山こそが日本人の作り出しだ楽園であり、最も住み心地の良い場所なのだと思います。

日本に多く作られた里山は近代化の影響で人が去りましたが、里山が日本の数少ない資源であることは間違いありません。

里山へ人が戻ってくれば日本もまだまだ捨てたもんじゃない潜在的なパワーを秘めています。

とはいっても理想と現実にはまだ大きな隔たりがあり、グローバル経済に飲み込まれ消耗していますが、そろそろ他国よりも半歩先の社会を目指してはどうでしょう?


あなたが世界を変える日―12歳の少女が環境サミットで語った伝説のスピーチ