ロックバランシング (石花・石積みアート) 石だけで作る芸術作品は集中力の向上と癒やし効果あり
河原などに転がっている自然の石を積み上げるロックバランシング (石花・石積みアート)という遊びがあります。
大きい石の上に小さな石を乗せるのはそれほど難しくはありませんが、小さな石の上に大きな石を乗せたりアンバランスな配置にすることで不思議なオブジェが作れます。
何よりロックバランシングは適当な大きさの石があれば誰でも挑戦でき、体力やお金や道具がまったく必要ないので、これほどシンプルな遊びはなかなかありません。
その場にある石を積むだけなので環境への影響もなく、どんなに積み上げても崩れてしまえばまた自然の一部に戻ります。
どんな石にも必ず支点がありピタッとハマると重力によってまるで接着剤で固定したかのように積み上げることができます。
指先の微妙な力加減と集中力を持続させることによって石が安定するポイントを探すので、定期的に行えば自然と集中力を向上させることができるかもしれません。
陶芸も土と触れ合いながら指先の感覚を頼りに無心になって器を作ることでストレス解消やリラックス効果があるので、ロックバランシングにも似たような効果が期待できそうです。
この道を極めようと石積みアーティストとなった人もおり、ロックバランシングの第一人者であるマイケル・グラブさんの作品はまさに自然と調和した芸術と呼べるでしょう。
日々のトレーニングや瞑想などで精神が研ぎ澄まされると石の重心がすぐわかるようになり、より複雑なバランス感覚が要求されるたくさんの石を使った作品を作れるようになるそうです。
石と対話を通して日常生活における様々な悩みや邪念をリセットすることができ、自然と直に接することで心身ともにリフレッシュできる良い趣味だと思います。
なぜか河原や海辺といった水が近くにある場所に作られる作品が多いですが、単純に石が手に入りやすいだけでなく積み上げられて動かない石と絶え間なく流れる水との対比が美しいのも理由でしょう。
出来上がった後に水をかけたりしていますがその程度で崩れることはなく、雪が積もったり毛虫が這っていたり水しぶきを浴びても無事なので、見た目よりも石同士の安定感は高そうです。
それでも外部からのわずかな衝撃で崩れ落ちる儚さがあるからこそ刹那的な美しさを感じるのでしょう。
もし河原を歩いていてロックバランシングを見つけたら一瞬ドキッとしそうですが、遥か古代の宗教的なシンボルにも見えてくる神秘的なアートです。
河原でバーベキューや川遊びといった定番のアウトドアな楽しみ方も良いですが、ちょっと視点を変えるだけでこれほど奥深い世界が広がっていることに目を向けるとさらに面白いです。
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