主要農作物種子法 廃止法案が可決 日本の食料安全保障の危機とモンサントの世界戦略

公開日: 最終更新日:2017/06/07 [ 約3分で読めます ] 世界, 自然農法


Photo by Masaru Kamikura

今年の4月13日に参議院農林水産委員会で種子法廃止法案(主要農作物種子法を廃止する法律案)が可決されました。

水道法改正の閣議決定と同じく国民にとって重要な法案はまったく各メディアが報じません。

これまで主要農作物(米・麦・大豆)と水に関しては国がしっかりと品質を管理してきましたが、それを民営化することで外資に牛耳られる可能性があります。

特に米は日本が長年に渡り栽培や品種改良をくり返して多種多様な品種が作られてきました。

しかし種子法が廃止されることで日本の食料安全保障が危機に瀕することは間違いないでしょう。

来年の4月1に種子法がが廃止されることが決まった事実は取り消せないので、新たに国内品種を保護するような法案を作り国の根幹に関わる部分は守り抜いてほしいです。

モンサントの世界戦略


Photo by Die Grünen Kärnten

アップルやマイクロソフトやアマゾンなど世界的に影響力のあるグローバル企業はたくさんありますが、実は人間が生きるうえで欠かせない食料の分野で圧倒的な影響力を持つのがモンサントだと思います。

元々は農薬会社でしたが種子メーカーを次々と買収し、さらに医療品や農薬で一定のシェアを誇るバイエルを買収したことで種苗と農薬で世界シェアNo.1になりました。

モンサントはベトナム戦争で散布された枯れ葉剤を製造したことでも知られています。

日本でもラウンドアップという除草剤が売られていますが、モンサントが開発したものであり自然分解されずに土壌に残留し続けます。

特に遺伝子組み合え種子では9割ものシェアを独占し、さらに種子はそれぞれ特許を取得しているので莫大な利益をあげています。

その被害は尋常ではなくメキシコでは政府がモンサントの遺伝子組み換え作物の耕作を承認したばかりに、国中に遺伝子組換え作物が広まり、主食であるトウモロコシや大豆が汚染されていくことに先住民をはじめ農民や環境保護団体が抗議をして裁判沙汰になっています。

インドでは綿栽培が盛んですが、モンサントが殺虫遺伝子を組み込んだ遺伝子組み換え種子を農薬コストが削減できると売り込みました。

その結果として実は特許種子を育てた作物から採種することが制限されているため、毎年種子と決められた農薬をセットで買う羽目になり、干ばつや耐性害虫も現れて資金繰りが上手く行かず自殺に追い込まれるケースが跡を絶ちません。

風や虫によって運ばれた花粉が別の農地で栽培されている品種と交雑するとそれにも特許が発生するので、遺伝子を調べられた後に訴えられると多額の賠償金を請求されます。

モンサントの遺伝子組み換え種子による一番の恐ろしさはこの花粉による無差別テロだと言えます。

そして一度でも花粉が撒き散らされ汚染されてしまうと二度と元には戻りません。

自然とは面白いもので雑草や害虫をすべて駆除する遺伝子組換え作物しか生き残らないような農薬を散布しても、数年後には農薬耐性をつけた雑草や害虫が登場し、さらに強力な農薬で対抗するというイタチごっこが生まれます。

さらに一定の品種ばかり作っていると特定の病気や害虫に弱いため一気に広まり世界中で作物が採れなくなる危険があります。

最終的にそうした環境で育てられた作物が人間の口に入るので、人間にまったく害はないという方が不自然だと思います。

こうした悪影響を見かねてヨーロッパやアフリカでは脱遺伝子組み換えの運動も起こっているようですが、日本はアメリカの言いなりなので、一企業の利権のために来るところまで来たかという感じです。

種子法の廃止によって日本の食文化を支えてきた米や小麦や大豆を作る農家が減り、すべてモンサントの利益に結びつくよう管理される時代になるのでしょうか。

食の安全だけでなく政治的な侵略行為に利用される危険もあるため、政府や各メディアはくだらないニュースを報じる前にしっかりとこの問題と向き合い取り上げるべきだと思います。


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