世界のミニマリスト ホセ・ムヒカ(エル・ペペ) ウルグアイ元大統領 本当の貧しさとは何か?

2018年4月23日


Photo by Ariel Quiroz

いきなりウルグアイの現大統領は誰かと聞かれて即答できる人は滅多にいないと思います。

日本から遠く離れた南米の小国なので自分で調べなければなかなか情報が入ってきません。

しかしエル・ペペの愛称で親しまれ、ウルグアイ元大統領であるホセ・ムヒカさんについては、リオ会議でのスピーチや来日した際に各メディアが取り上げたことで話題となりました。

国家の代表でありながら給料や資産のほとんどを手放し国民の幸せのために奔走した数少ない本物の政治家です。

一見日本とは関係無さそうな立場ですが、実はホセ・ムヒカさんが幼い頃に父親を亡くし窮困する家庭を支えるために花の栽培をしていたそうですが、そのきっかけとなったのが近所に住んでいた日本人家族でした。

その後貧困問題の改善のため富の分配を主張し、腐敗した国家に立ち向かうため過激派ゲリラに加わったりもしましたが、今となって気付いたのは富の分配ではなく、人間の文化そのものを変えないと何も変わらないという事です。

その後ウルグアイ在住の日本人との触れ合いを通して、社会を変えることが自分の使命だと感じ政治家として生きる道を選びました。


Photo by autoTRADER.ca

政治経験を積み大統領に就任しても当初の志はブレずに国会にもラフな服装で参加したり、個人資産も1987年型フォルクスワーゲン(ビートル)と農作業に使うトラクターのみ。

給料の9割を社会福祉機関へ寄付して残りの10万円ほどで毎月やりくりしながら質素な生活を送っていました。

こうしたライフスタイルが徐々に世界中から注目され始めていつしか世界一貧しい大統領と呼ばれるようになりました。

しかし本人は決して自分が貧しい生活をしているという認識はありません。

「本当に貧しい人とは、贅沢な暮らしをするためだけに働く人、無限の欲望があり満足しない人です。」

「一番大きな貧困というのは孤独です。貧困というのは物をたくさん持っているかどうかの問題ではありません。」

「人類は、消費社会にコントロールされてしまっています。
過剰消費システムが世界を壊しているのにも関わらず、多くの人が豪華な物やライフスタイルのために人生を放り出しているのです。
私たちは発展するために生まれてきているわけではありません。
幸せになるためにこの地球にやってきたのです。」

「自分のエゴを満足させるために他者と競って、他者を破壊するような文化であってはいけない。」

「お金をたくさん欲しがる人は、政治の世界から追放されるべきだ」

「お金があまりに好きな人たちには、政治の世界から出て行ってもらう必要があります。彼らは政治の世界では危険ですから。政治とは、すべての人の幸福を求める闘いなのです」

ひかたま(光の魂たち)

このような現代社会に生きる者にとっては胸が締め付けられるような名言を数多く残しています。

己の生き方や自国の政治家と照らし合わせて、果たしてどれだけの国民や政治家がこれほどの信念を持って生きているでしょうか?

長旅に出かける時にはなるべく荷物を減らして身軽に行動したいものです。

それは人生という長旅においても同じで重すぎる荷物を背負っていては、途中でバランスを崩し転んで怪我をしたり軽快に動けません。

社会が変わるには時間がかかりますが、少しずつホセ・ムヒカさんの思い描く社会へシフトしていければ、消費社会に取り込まれた人々が再び本当の豊かさを取り戻せるはずです。


ホセ・ムヒカ 世界でいちばん貧しい大統領 (角川文庫)