Edward Hopper(エドワード・ホッパー) 見慣れた風景に潜む孤独を描く

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Nighthawks, 1942
via Museum Syndicate

Edward Hopper(エドワード・ホッパー)は20世紀を代表するアメリカの画家のひとりですが、日常のひとコマを切り取ったような自然で写実的に描かれる作品は人気があります。

1枚目の画像はエドワード・ホッパーの代表作であるNighthawksですが、夜更けで人通りのなく店内にも数名の客のみという閑散とした時間にふと現れる都市の孤独がうまく表現されています。

何気ない一瞬に魅力がある

エドワード・ホッパーの絵画を観察すると細部まで繊細に描きこまれているわけでもなく、パースがおかしい箇所があったりもしますが、良い意味で描きこみすぎないことで雰囲気を大切にしていると思います。

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Automat, 1927
ひとりで読書したり物思いにふける人物の描写が多いです。騒がしい日常から開放され一息ついている場面でしょうか。

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City Sunlight, 1954
朝日を浴びているのか、はたまた夕暮れ時かあまり物が置かれていない部屋で窓を見つめて物思いにふける描写です。

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Chair Car, 1965
あまり込み合っていない車内の様子もエドワード・ホッパーが描くと立派なアートになります。読書したりボーッと一点を見つめていたり、近くにいるけど他人なのでそれぞれ孤独な時間を過ごしています。

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Morning Sun, 1952
ベッドの上で体育座りする女性。寝起きで朝日に照らされる都市の風景を眺めているのでしょうか。

この人は今何を考えているのかや置いてある物が少ないなどシンプルな構図だからこそ、見る者が想像して入り込む余地が多く何度見ても飽きません。

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Hotel Room, 1931
旅行客が旅先のホテルで読書しながらくつろいでいる場面でしょうか。何かに全力で打ち込んでいるというよりは談笑していたり、読書をしていたりとあまり気を張っていない場面が多く描かれています。

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Lighthouse Hill, 1927

人物だけではなく風景画も数多く作品があり、エドワード・ホッパーの世界観で描かれる建物はどこか物悲しさを感じます。

潜在的な孤独

エドワード・ホッパー自身もニューヨークのマンハッタンという大都市に住みながらも派手な振る舞いはなく、寡黙な画家で『静かな男』と呼ばれるほど作品や私生活のことを多くは語らない人でした。

誰しも生活するうえでふと感じる孤独を一枚の絵画でうまく表現していると思います。現代の厳しい競争社会との対比で、よりいっそうエドワード・ホッパーの絵画の持つ魅力が引き立ちます。

今でも古臭く感じない理由は数十年前に作品が描かれた時代から現在まで社会の根本的な仕組みが何も変わっていないからでしょう。


ホッパー NBS-J (タッシェン・ニューベーシックアートシリーズ)