手前どぶろくが時代遅れの酒税法によって作れない日本


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ひと昔前はどぶろくという米と麹と水があれば簡単に作れてしまう清酒の原型を家庭で作る習慣がありました。

しかし明治時代から酒税法により無許可での製造が禁止されてしまい、日本の食文化のひとつが闇に葬りさられました。

当時は税収における酒税の割合が高かったため、市販のお酒に課税して家庭でのお酒の製造を禁止することで税収を安定させる目論見がありました。

時代は変化し今では全体の3%ほどにしかならず、それでも世界的に見れば異常なまでに高い税率をかけています。

そもそも自分でお酒を作って飲むことの出来ない国は宗教的な理由の除けば日本くらいなもので、宗教上規制されている国でも外国人はこっそり密造酒を作って飲んでいます(笑)

これでも1961年に規制緩和されましになった方でそれ以前だと梅酒などの果実酒すら違法になってしまうほど厳しいものでした。

現在はアルコール度数1度以上が酒類と定義され、1度未満の飲み物はお酒に該当しないので作っても問題ありません。

また20度以上のアルコールに漬け込んだお酒もアルコール度数が高いため発酵が起きず、すなわち醸造には当たらないということで許可されています。

どぶろくは出来たてが最も美味しく、発酵を抑えないため市販もしにくいお酒です。

アルコールが生成される前は飲むヨーグルトのような爽やかな甘味でお酒になる前からすでに美味しいそうです。

ワインに果物や甘味料を入れ風味を付けて味わうサングリアはワインのアルコール度数が低いため違法になってしまいます。

同様にみりんも20度以下なためかつてNHKで放送され話題となったみりん梅酒も完全にアウトです。

伝説のみりん梅酒 – ニコニコ動画

政府は税金を取りやすい所から狙うので近年では発泡酒などの安い酒が狙われていますが、自家醸造を解禁したところで手間がかかるので税収にもそれほど影響を与えないでしょう。

アルコール中毒者が増加しないかという不安もありますが、アル中にはパック焼酎などの方が時間をかけず容易に入手しやすいので危険です。

どぶろくはろ過や発酵を止めるための加熱処理をしないので、生きた酵母や栄養分を摂取することができ、不純物を含まない清酒や添加物まみれのチューハイよりよほど健康に良いお酒ではないでしょうか。

酒は百薬の長』ということわざがありますが、おそらくその酒も酵母菌たっぷりの生きた酒の事であり、加熱処理されて酵母菌の死んだ酒ではない気がしてきました。

手前味噌や手前甘酒といった発酵食品はシンプルな素材だけで手軽に家庭で作れるので、手前どぶろくも合法的に醸造できるようになると日本の食文化がより豊かになります。

どぶろく作りと稲作の歴史はほぼ同起源と言われており、古来より五穀豊穣や家内安全を祈願する神酒として親しまれてきました。

昔ほど農家も多くなく自分で収穫した米を使うわけでもないので、あくまで趣味の領域で楽しめれば十分なのです。

自家醸造を規制することは人権における幸福追求の権利の侵害ではないかという主張で、どぶろく裁判が行われるほど根強い自由化運動が巻き起こり今でも根強い意見があります。

たかが”どぶろく”されど”どぶろく”税金を徴収するために規制を設けるとそれだけ国民の自由が失われるので、酒税法のような明らかに時代に即さない法律は速やかに改正して欲しいものです。

とはいえ酒税法を違反して良いわけではないので、表向きはきっちりと法律に沿ったどぶろくを楽しみましょう。


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