老化や経年変化を受け入れる勇気 アンチエイジングは必ずしも美しさをもたらさない

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Photo by Chris Marchant

アンチエイジング美魔女という言葉がよくメディアで持てはやされる昨今、まるで老いることは悪い事のように錯覚しますが、本当は万物に起こり得る自然現象に過ぎません。

仏教用語に諸行無常という言葉がありますが、姿や本質は常に流動的に変化し一瞬たりとも留まることがないという意味があります。

アンチエイジングはその法則に逆らい無理矢理に留まろうとする不自然な行為であると言えます。

たしかに肉体的な面では若い頃にピークを迎え、老化とともに少しずつ衰えていきます。

そういう意味では若さ=美しさが成り立ちますが、人間の真の美しさは身体機能だけではなく知性や経験などが混ざり合ったものだと思います。

美魔女コンテストがメディアで取り上げられると、いかに実年齢よりも若く見られるかを競っているように視聴者が捉えてしまいます。

実際にコンテストで優勝するような人たちは、運動や食生活にも徹底して気を配り見えない努力をされているからこその美貌だと思います。

アンチエイジング本来の目的は内面的な身体機能の衰えを改善することだと思います。

しかし視聴者のなかには勘違いをして表面的なエステや化粧品ばかりに気を取られ、地味で辛いことは避けがちです。

若さ=美しさの構図を築き上げた方が美容業界にとっては都合が良いので、広告代理店も猛烈にプッシュします。

一方で経年変化による美しさはあまりお金にならないので、取り上げられることが少ないと感じます。

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Photo by sagesolar

経年変化といえばヨーロッパの町並みを見ると古い年代の建築物が多く、100年以上前の古民家でも普通に人々が暮らしています。

日本では例え新築マンションが高額で売りに出されても、ほんの数年で価格が半減してしまいますが、ヨーロッパの住宅は住めば住むほど価値が上がります。

日本は台風や地震が毎年当たり前のように起こる自然災害大国なので、ヨーロッパと比べることに無理があるとは思いますが、日本にも古民家は残っているので現代建築が脆いのでしょう。

老いてもなお美しいとされるものはどれも魅力的で、常に人々を心を引きつけてやみません。

経年変化とはどこを切り取ってもその時にしか出せない美しさを秘めており、熟成されたワインのように歳を重ねるごとに味わいが増すのが理想です。

表面的なアンチエイジングよりも良い歳の重ね方、新築住居よりも古民家、壊れやすく使い捨ての商品よりもよく使い込まれた道具などへ価値観がシフトすれば、もっと持続性のある奥深い社会になるはずです。